07/28 (水)更新
外国人労働者が帰化をするメリットとは? 永住権との違いについて
無期限に日本に滞在出来る資格として「永住権」と「帰化」というものがあります。
ただ「永住権」と「帰化」は期間や活動の制約なしに日本に滞在できるという点で共通していますが、実際の立場や権利は大きく異なっているのです。
外国人の雇用を検討している企業であれば、採用担当者は両者の違いを把握しておく必要がありますので、帰化と永住権の違いや、帰化のメリット、帰化申請の手続きについて説明していきます。
帰化とは?
帰化とは外国人が日本国籍を取得することです。
帰化とは、外国人が日本国籍を取得し、日本人になることです。日本では二重国籍が認められていないため、外国人は自国の国籍を放棄しなければなりません。
日本国籍を取得した時点で、母国や人種は関係なく「日本人」となるので、国籍や選挙権など全ての扱いが日本人と同じになります。
日本のパスポートを持つため、ビザの更新も必要なく、強制退去させられることもありません。
就労に関する制限はなく、公的機関で働くことも可能です。
日本のパスポートを持つため、ビザの更新も必要なく、強制退去させられることもありません。また、申請しなくても自由に再入国できます。
帰化と永住権との違いについて
永住権とは、外国人が国籍を変えることなく、在留期間の制約を受けず日本国内に永住できる在留資格のことです。
通常の在留資格には1年・3年・5年などの期限がありますが、永住権には期限がありません。
ただ身分は外国人のまんまなので、日本人の戸籍を持っていない為、選挙権は与えられず、警察や役所などの公的機関での就労は困難です。
しかし、それ以外では就労に関して制限がなく、日本人と同様に働く権利を手に入れることができます。
つまり「永住権」は『外国籍を持ったまま、日本に永住する権利を得る』、「帰化」は『外国籍を破棄し、日本国籍を取得して日本人になる』という事になります。
帰化の種類
帰化にも条件や人によって適用される種類が分かれています。
手続きや申請なのどは、後ほど説明していきます。
普通帰化
普通帰化は多くの外国人に適用される一般的な種類の帰化です。
留学・就職・移住など様々な理由で日本に来て、日本国籍を取得したくなった外国人が申請します。
多くは『技術・人文知識・国際業務からなる高度人材資格』を取得している外国人の労働者達が普通帰化をして、日本の国籍を手に入れます。
簡易帰化
簡易帰化とは、普通帰化より条件が緩和された帰化の方法です。
帰化の為に通常であれば日本に引き続き住んでいる期間が5年必要なのですが、簡易帰化の場合は3年に緩和されるほか、「父母が日本生まれ」「日本国民の子や養子」「元日本人」などの条件があります。
在日韓国人・朝鮮人の方や、日本人と結婚している外国人に適用されるものです。
「簡易」とはいっても帰化条件が緩和されているだけで、実際の申請方法や審査自体の基準は何も変わりません。
大帰化
大帰化とは、日本に特別の功労がある外国人にのみ認められる帰化方法です。
その人が日本国民になることに大きなメリットがあると認められれば、国会の承認を得て日本国籍を取得することができます。
しかし、今まで大帰化をした人の事例は1件もありません。
余程の功績を上げており、日本の国籍を得たいと本人が望まなければ取得出来ないので中々適合する人は居ないよううです。
帰化のメリット・デメリット
帰化を行う事で大きな恩恵もあれば、その代償としてデメリットもあります。
メリットとデメリットについての説明を行っていきます。
帰化する事でのメリット
帰化の最大のメリットは、日本人と同様の権利と義務が与えられることです。
そのため、日本在留の権利を剥奪されることもありません。
当然のことながら日本のパスポートを持つことになるため、海外へ行く際に入国手続きが免除される機会が増えるでしょう。
日本のパスポートは世界で最も信頼度が高いため、恩恵を受けることになるはずです。
日本への帰化を行い、外国人の労働者が得られるメリットは以下の通りとなります。
・日本の名前を持つことができる
・日本戸籍を持つことができ、夫婦で同じ戸籍に入ることができる
・日本のパスポートを持つことができ海外渡航手続が楽になる
・社会保障面で日本人と同じ権利を持てる
・選挙権を得る、また公務員の役職に就くことが可能になる
・金融機関で住宅・自動車ローン、仕事などの融資を受けれる
帰化のデメリット
帰化して日本の国籍を得る事で、今まで持っていたものを失いますので、当然デメリットが出てきます。
・母国の国籍を失い、再び母国の国籍を取得することは簡単でない
・ 母国へ行く場合は、査証(ビザ/VISA)が必要になることがある
帰化する事で様々なメリットを受ける事が出来ますが、日本は二重国籍を認めていないため、帰化すれば自国の国籍を失います。
もし仮に、日本から自国に生活基盤を移したくても、簡単に自国に長期間戻れなくなることがデメリットになるかもしれません。
帰化の申請方法
次に永住権申請と帰化申請をする際の条件、必要書類、申請方法をご紹介します。
まず永住権を取得する為には、以下の条件を満たしている必要があります。
・素行が善良であること
・独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
・その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
日本の法律を守り、社会的に非難等を受けることがなく、資産や技能面でも安定した生活が見込まれることが大切です。
これらの条件を満たしている人が、申請へと進めます。
審査手順について説明をしていきます。
法務局に申請相談
予め法務局に帰化の申請相談をする為に予約を行いましょう。
相談に行く際には、「外国人登録カード」「運転免許証」「パスポート」の持参が必要です。
必要書類の準備・申請
帰化の要件を満たしていると判断されると、法務局の相談員が必要書類の一覧表を用意してくれます。
全ての書類は一覧表を見て頂ければと思いますが、主に重要な書類は以下になります。
・母国での申請者の身元を証明する書類
・日本での身元・財産状況を証明する書類
・会社役員や個人事業主の場合、事業を証明する書類
戸籍謄本や、職場でもらった源泉徴収、課税証明書や納税証明書が上げられます。
帰化申請書を作成する
「帰化許可申請書」に名前や住所など基本情報の他に、通称名・父母の氏名・帰化後の名前などを記載します。
また、これに加えて理由書や、親しい日本人や家族からの上申書・嘆願書、地域に貢献している証明となる写真などがあれば、帰化申請がスムーズになります。
帰化の為の法務局で面接
書類の申請が完了すれば、法務局にて面接の予約をします。
面接では、提出した書類の内容を中心に様々な質問が行われます。質問の内容は人によってかなりばらつきがありますが、
・家族について
・仕事について
・年金・税金について・
・これから日本人として生きていくことについて
これらの項目には、何を聞かれてもしっかり答えられるよう準備しておいたほうがいいでしょう。
帰化の許可
面接から6ヶ月~1年くらいで、帰化の許可・不許可が知らされます。
結果が出るまでの間に、素行不良にあたる行為はくれぐれも謹んで下さい。
まとめ
今回は外国人の労働者の帰化について説明しました。
今後日本では少子高齢化に伴って、大きな人手不足が予測されます。
それに伴い外国人の労働者達の数が増える事が予測されますので、帰化する外国人も多いのではないでしょうか?
帰化する外国人が多くなる事によって、人口の増加が見込めます。
人口が増える事で、日本政府に入る税収も増え、日本の社会制度が整備されますので、共によりよい国を協力して築き上げる事が大事です。
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