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07/30 (金)更新

外国人の雇用の時に気を付けるハラスメントは?

年々少子高齢の煽りもあり、企業は外国人を雇用する機会が増えてきたかと思います。

外国人を雇用する上で、最も注意すべきことの1つに「ハラスメント問題」があります。

セクハラ、パワハラ、モラハラなど、一般的に定義されているハラスメントは30種類以上あります。

日本と海外では価値観が違うため、それらの違いを理解出来ず、『悪気はないがハラスメントになっていた』こんなケースが多くあります。

ハラスメントとして訴えられてしまう可能性にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は外国人のハラスメントについてと、その対策についてご説明していきます。

ハラスメントとは

まずはハラスメントの定義について説明します。
ハラスメントとは、簡単に言うと様々な場面での「嫌がらせ」「いじめ」のことです。

具体的には『優越的な関係を背景とした言動』『業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの』『労働者の就業環境が害される』これらの要件を満たし、他者に対する発言・行動等で、相手を不快にさせたり尊厳を傷つけたり不利益を与えたり脅威を与えることをいいます。

ハラスメントをした本人に嫌がらせの意図があったかどうかは関係なく、被害者が『ハラスメントを受けた』と感じた場合は、全てハラスメントになります

文化や言語や宗教による価値観に違いがある外国人は、何気ない一言や所作がハラスメントと捉えられかねません。

外国人はハラスメントの定義に厳しい

海外では日本以上に、パワハラ・セクハラに対して厳しい目でみられます。

日本よりももっと敏感なので、外国人を雇う時はくれぐれも気をつけなければなりません。

日本ではハラスメントという言葉が一般的になってのは、まだ記憶に新しい事であると思います。

ただ海外では労働者の人権や環境を守るという意識が昔から強くあり、ハラスメント問題は常日頃から重要視されてきました。

日本企業でも近年はハラスメント防止の為に、社内セミナー等を実施して抑止に取り組んでいますが、まだ海外に比べてハラスメントに対する意識は低くあります。

もしもハラスメントとして訴えられた社員は、社内での立場が苦しくなるのはもちろん、解雇処分にもなり得ます。

また解雇処分になった後の転職活動でも大きな影響を及ぼすでしょう。

外国人を雇う際は、外国人のためにも自分のためにも、考え方や価値観が互いに違うという事を念頭に置きつつ慎重にコミュニケーションをとり相互理解をはかりましょう。

ハラスメントの主な種類

冒頭にも説明したように、ハラスメントの種類は一般的に30種類以上あります。

その中でも、気を付けておくべきハラスメントの種類についてご説明しておきます。

パワーハラスメント

パワーハラスメントとは、職場内での優位性や立場を利用し、部下などの労働者に対して業務の適正範囲を超え、叱責・嫌がらせを行うハラスメントのこと。

パワーハラスメントの多くは、上司と部下の関係における指導という名目で起こります。そのため「判断が難しいという実情」「両者の関係修復が難しい」といった特徴があるのです。

セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメントとは、相手の意に反した性的言動により、「労働条件に関して不利益を被る」「就業環境が妨げられる」「不快感を与えられる」といったハラスメントです。

セクシャルハラスメントは、たとえその行為が1度であっても、ハラスメントと認定されます。セクシャルハラスメントのターゲットの多くは、新入社員・非正規雇用者など、比較的弱い立場にある人です。

女性が被害者になることが多いですが、被害者が男性であっても、また同性同士であっても定義は変わりません。
また、上司や同僚だけはなく、部下・取引先・顧客・患者・学校における生徒などもセクハラの行為者になりえます。

モラルハラスメント

モラルハラスメントは、「道徳による精神的な暴力・言葉・態度による嫌がらせ」のことです。
パワーハラスメントとも似ていますが、パワハラの定義には「職場での力関係」が含まれるのに比べ、モラルハラスメントはより対象が幅広くなっています。

いわゆるいじめに近い概念です。職場で話しかけられても無視する行為は、モラルハラスメントの代表的な事例といえます。

ジェンダーハラスメント

ジェンダーハラスメントとは、性別によって異なった社会的役割があるといった固定的概念に基づいた、差別・嫌がらせのこと。

例えば、「もっと女らしくしろ」「男のくせにこんなこともできないのか」といった言動がジェンダーハラスメントにあたります。

男女問わずすべての人が被害者になる可能性があるもので、なかでも女性の就業意欲や心身の健康に大きな影響を及ぼすと考えられています。

セクハラと似た要素もありますがセクハラは『性的な言動』で、ジェンダーハラスメントは『性的ではないものの、性別に基づいたハラスメント』という部分が違います。

マタニティハラスメント

マタニティハラスメントとは妊娠・出産・子育てなどをきっかけに、『不利益な就業環境を強いられる』『「嫌がらせを受ける』『不利益な扱いを受ける』『各種制度を利用しないよう強いられる』といった行為を受けるハラスメントです。

マタニティハラスメントは法律で禁止されており、会社にはマタニティハラスメント防止措置が義務付けられています。

エイジハラスメント

エイジハラスメントとは、相手の年齢について、差別的な発言や行動を取るハラスメントのこと。

『年齢による能力低下を侮辱する』『年齢を理由に組織の人間関係から疎外する』『理由がないにも関わらず、年齢制限を設けて求人を行う』などさまざまなケースがあります。

日本では外国に比べて、特に「年功序列」という考えが非常に強くあるので、知らず知らずのうちにこのエイジハラスメントになる可能性もあります。

ハラスメントの対策

日本人の何気ない言動がハラスメントとなる可能性は大いにありますが、事前にしっかりと気を付けるべきポイントを抑えておけばハラスメントの対策は出来ます。

従業員の社内教育

ハラスメントを防ぐために最重要なのが、ハラスメントを許さないというトップの姿勢と、従業員の教育です。

リーダー研修にハラスメント防止講習を盛り込んだり、ハラスメント発覚時には適切な処罰を行うなどの仕組み作りを行いましょう。

また、定期的な意識調査や、従業員同士のコミュニケーションなど、被害が大きくならないうちに問題を解消することも大切です。

ボディタッチをしない

外国人によって許容する範囲は違うので、一旦はこちらからは一切触れないくらいの意識を持ちましょう。

海外では国によっては宗教上、男性に触れる事が出来ない国もありますし、日本特有のノリが分からない場合もあるので、不用意なボディタッチは辞めましょう。

プライベートをあまり聞かない

海外では基本仕事の時間が終わった後はプライベートの時間になります。

日本のように仕事後に会社の人とご飯や飲み会へ行く事は少ないです。

海外ではそれだけプライベートと仕事を分けて考えている人が多いということになります。

さらに会社の人にプライベートのことを聞かれるのを嫌がる外国人は少なくないです。

『休日は何をしているの?』『どこらへんに住んでいるの?』など、日本では会話の定番である質問でも、外国人によってはプライバシー侵害と捉える事もあります。

基本はプライベートについて何も聞かない方が良いでしょう。仕事上の関係と割り切って、無理に踏み込んだ関係性を作らない事が重要です。

文化や宗教を侮辱しない

宗教の考え方のみならず母国の文化などにも口を出してはいけません。

外国人はその考え方や価値観を人生の基軸として捉えている方も多いため、それらを否定されてしまうと人生そのものを否定されていると感じてしまうのです。

まとめ

今回は外国人についてのハラスメントの種類や、対策について説明してきました。

ただこれは外国人のみならず日本人に対しても気を付けなければなりません。

近年はハラスメントが非常に問題視されており、従業員から訴えられれば、ハラスメントした本人も会社にも大きなダメージを及ぼします。

そういった問題にならないように、真摯なコミュニケーションを心掛けましょう。

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