
07/16 (金)更新
外国人労働者との友好的なコミュニケーションの築き方おしえます!
外国人労働者と聞くと、真っ先に心配になるのがコミュニケーションをとるにはどのようにしたらよいのかという言葉の問題が頭に浮かぶのではないかと思います。
人手不足を解消するために外国人労働者を雇用する企業は増えていますが、言葉や文化の壁をはじめとするさまざまな課題に直面している企業があります。
外国人労働者を雇用する場合は、そのような課題を解決する方法を模索しつつ、外国人労働者の立場にたった受け入れ態勢を整えることが大切です。
今回は外国人労働者の現状や言葉や文化壁を解消するための方法について説明していきます。
外国人労働者の現状
これまで日本の言語文化はそれだけ特殊な形態を歩んできたと言えます。
日本は四方を海で囲まれた島国であり、他国と接している部分はありません。
さらに、漢字の他にひらがな、カタカナを用いた複雑な言語構成をとっている日本語を共通言語としている世界的に見ても非常に特殊な国家と言えます。
そのため世界でも稀に見る、独特の文化や言語の発展をしていきました。
この日本独自の発展が、他の先進国と比べて言語や文化に関する閉鎖性を高めてしまったとも言えます。
その一方でヨーロッパや中国、アメリカなどでは、多くの人種や民族がともに生活し、隣国とも陸続きとなっているため、他の地域の言語や文化などが入ってきやすいと言えます。
この昔からの日本の成り立ちが「グローバル化」がオーソドックスとなっている現在でも言葉や文化の違いの壁を生み出しているのです。
最近では日本に多くの外国人労働者が入国していますが、この日本の昔から続く閉鎖的な言葉の壁の影響で『働きづらい』『孤独感を感じる』と思っている外国人労働者は少なくありません。
外国人が日本企業に抱く不満
株式会社社YOLO JAPANが『日本の労働環境について日本に住む外国人に意識調査』を実施した結果を公表しました。
日本での就職に関して、約7割の外国人がネイティブレベルの日本語力を求められると回答しており、言葉の壁で苦労していることが明らかになりました。
また、外見や国籍で不採用となることもあり、外国人採用に積極的ではないと回答する人は約5割いました。
また履歴書や職務経歴書も全て日本語表記で書かないといけないなど、言語以外にも日本語苦戦している部分が多くあるようです。
外国人が積極的な日本企業
一方で、外国人採用に積極的な日本企業に勤めている外国人からは、ポジティブな意見が多くあがりました。
約6割の外国人が「スタッフが親切に教えてくれる」「コミュニケーションを積極的にとってくれる」と回答しました。
そして約5割の人が「日本語以外の言語でコミュニケーションをとってくれる」と答えているほか、「日本語がつたなくても、先輩が忍耐強くていねいに教えてくれる」「宗教への理解がある」といった多様性の受け入れについて企業側のポジティブな姿勢に魅力を感じる人が多くいました。
外国人労働者への配慮
上記で説明した通り、外国人の採用に積極的である企業と、非積極である企業では外国人からの印象が大きく違います。
ただ今後の日本の「人手不足」や「世界的なグローバル化」を解決していく為には、外国人の雇用をしていく事が非常に大切になってきます。
日本企業は今までの閉鎖的文化を脱却し、発展の為にお互いが歩み寄らなければなりません。
歩み寄る為には、雇用する前から外国人への配慮を忘れずに行いましょう。
採用時に配慮をする
職場レベルに合った日本語能力のある人を採用するよう心掛けましょう。
採用段階で日本語能力を判断しておくことで、入社後のコミュニケーション面でのトラブルの防止につながります。
そして、外国人労働者を募集する際は、求める日本語レベルを具体的に決めておくようにします。
「話す・読む・書く・聞く」に分けて、どのレベルの人材が必要なのかを決めておく事で、即戦力になる人材に繋がる採用活動が出来ます。
そのうえで、外国人労働者について社内への周知をしておくことも大切です。
国によって文化や習慣が異なるために起こる日本人スタッフのストレスを軽減することができます。また外国人労働者も職場に馴染みやすくなるでしょう。
日本語学習の場を設ける
日本語があまりできない外国人労働者を採用する場合は、言葉の壁という課題を解消するために日本語学習の場を設けるようにしましょう。
外国人労働者に日本語を学んでもらうために、日本語学校に通ってもらうこともできます。
日本語学校なら、基礎からしっかりと学ぶことができるので、日本語を早く習得することができる可能性が高いです。
また日本語学校に通う事が難しい場合は、既存の日本人社員との勉強会を行うのもいいかと覆います。
いずれにせよ会社側が万全のサポート体制を整えておくことが重要です。
日本人社員と異なる外国人社員NG行動
日本人の社員と接する場合では気にしない事でも、外国人の社員と接する場合には気を付けなければならない事もあります。
日本人にとっては気にならない事でも、外国人にとってはシビアな問題なのでデリカシーのない発言は控えるように心掛けましょう。
宗教理解
宗教の多様性を認めている日本でも、いまだに一部の宗教に対する理解が不十分です。冠婚葬祭に関わる事柄はもちろん、日常的に意識しなくてはならない戒律なども宗教によって大きく異なります。
外国人労働者を雇用するうえで、宗教理解は必要不可欠といえます。
職場環境では、外国人の社員に気を使い以下のような対処を行いましょう。
・食堂で使用する食材への配慮
・お祈りスペースの設置
・宗教的な理由による服装への理解
外国人の社員をご飯に誘う時は、あらかじめ食べれないものがないかの確認をした方がいいと思います。
ほかにも1日に複数回の祈りを行う習慣のある宗教や、服装に決まりのある宗教も存在するため、雇用する従業員に確認しておくと良いでしょう。
上下関係
国によって上下関係の認識も異なります。
韓国など一部地域を除けば、「上下関係」や「年功序列」という概念自体が存在しない場合もあります。
上下関係のない地域では、年齢に関わらず「同じオフィスで働く仲間」という考え方が一般的です。
従業員同士は共通の目標やルール(企業理念など)を掲げる仲間ととらえ、日本式の上下関係を強要することは避けましょう。
指導方法
一昔前の日本では、ほかの従業員の前で上司が失敗した部下を怒鳴りつける慣習のある企業が多くありました。
いわゆる「パワハラ」として現在では減少傾向にありますが、このような指導方法をとっている企業はゼロではありません。
海外でも現代の日本と同様に、人前で上司が部下に怒る行為は理解されないものです。
さらに怒鳴りつけるような注意のしかたでは、「わざと恥をかかされた」「自己否定された」とマイナス的な印象をもたれてしまう可能性があります。
失敗した部下への注意や指導は二人きりで、周囲の社員に聞こえないよう小さな声で行いましょう。
仕事への考え方による問題と対策
仕事への考え方も中年層や若年層で違いがあるように、海外と日本でも異なります。
場合によってはあらかじめ社員研修や上司による面談などで指導しておかなければ、トラブルにつながってしまいます。
外国人労働者を雇用するうえで把握しておくべき「仕事の考え方」の違いによる問題や対策は、たとえば以下の2点が挙げられます。
残業への考え方
日本では「残業して当たり前」「残業する人のほうが仕事熱心」などの風潮がいまだに強く残っています。
ただ近年は働き方改革や新たな考え方をもつ経営者の増加により、残業を減らす取り組みを行う日本企業も増えてきました。
海外の場合、プライベートを重視する文化が強く「仕事はあくまで人生の一部」と考えられています。
外国人労働者にやむを得ず残業をしてもらう場合は、必要性や残業の規定について正しく伝えることが必要です。
そもそも残業自体が起こらないように気を付けましょう。
転職への考え方
海外企業の多くは実力主義であり、即日解雇が可能な国や地域も存在します。日本のように一度正社員として就職すれば、大きな問題を起こさない限り雇用が続くとは限らず、転職に対して肯定的です。
そのため、外国人の中には会社に対してとくに不満がない場合であっても、キャリアアップや待遇改善のために転職を積極的に考える方もいます。
このように早期離職につながりやすい文化がある中、優秀な外国人社員を自社に留めるためには、今後のキャリアやビジョンを共有することが重要です。従業員が求めるキャリアと実力に合わせ、適切な人員配置を行わなくてはなりません。
外国人とうまくコミュニケーションをとる
外国人とのコミュニケーションを円滑に進めるためには、どのようなことに気をつけるのが大切なのでしょうか。
ここからは外国人労働者とのコミュニケーションのポイントご紹介します。
言葉や文化の違いを理解する
それぞれの外国人の価値観を理解した上で、日本の価値観をしっかり説明することが重要です。
「ここは日本だから、日本のやり方に従いなさい」というような指示を受けると、外国人にとって自国の文化、存在自体を否定されたと受け取られてしまうこともあります。
「日本では、こういう考えのもと仕事をしないといけない」と説明するのではなく、「私たちの会社はこういう理念のもと仕事をしている」と説明をしたほうが、自分事に捉えることができ、しっかり聞き行動に移してくれることが多いのではないでしょうか。
また外国と日本では、マナーやルールも異なります。
外国人達は悪気なく「マナー違反」の行動を取ってしまうかもしれません。
例えば日本では上司と話す時は上司の目を見て話さなければ失礼にあたります、ただ外国の国では逆に上司の目を見る事が失礼だという国もあります。
日本の文化に合わない事でも、外国人にとっては悪気のない行動なので、しっかり国が違う事を理解して、寛容に対応する事が大事です。
口頭だけではなくてジェスチャーも使用する
外国人とコミュニケーションを取る際、日常会話は問題がなかったとしても少し複雑な言い回しなどは理解してもらうのが難しい場合があります。
その場合は口頭だけでなく、ジェスチャーでものごとを伝える、実際に実演しながら教えるということも、有効なコミュニケーション方法の1つです。
言葉がなかなか伝わらなくても、ジェスチャーを入れることにより、何かを一生懸命伝えようとしてくれているということを相手は感じ取ってくれ、お互いが理解し合おうとするようになります。
口頭で伝わらない場合などは、筆談や、翻訳アプリ、電子辞書などを用意しておくのもおすすめです。
遠回しな言い方はしない
外国人と働くにあたって立ちはだかるのは、何といっても言葉の壁です。
雇用した時点で基本的な会話はできたとしても、伝えたいことが正確に伝わるとは限りません。
まずは比較的簡単な単語を使う、比喩的な言葉を使わないなどを徹底したほうが良いでしょう。
長年日本語に携わっている日本人であれば理解出来ても、まだ日が浅い外国人には理解出来ない場合が多くあります。
また、もう1つ気をつけたいのが、言葉で表さずに空気を読まなくてはいけないような遠まわしな言い方を避けることです。
空気を読む、言葉の裏から推測するという文化は日本特有の文化です。
遠まわしな表現やあいまいな言葉では、外国人に誤解を与えてしまったり、混乱させてしまったりする可能性があるので、注意が必要です。
まとめ
毎年来日する外国人の観光客や外国人労働者の数は年々増していますが、コミュニケーションの壁は未だに残っています。
外国人の労働者達のおかげで日本の企業は「人手不足」も「グローバル化」も国内で補う事が出来ない要素を得る事が出来ています。
また日本の社会制度は若者が高齢者を支える体制を取っている為、若者の労働人口が減ってしまうと社会制度が崩壊する可能性がありますが、その問題を解消する助けとなってくれるのが「外国人労働者」達の存在です。
この外国人労働者達の働きによって日本は大きなメリットを得る事が出来るのです。
今後の日本、そして企業のの発展の為も、企業は受け入れる体制を万全に整えなければなりません。
SELECTでは外国人の雇用をする為の企業様のサポートフォローもしておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
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