03/30 (火)更新
知らなければ大変!?不法就労助長罪とは?
日本の人手不足を解決するために外国人の労働者を採用する企業も増え、政府も後押しするように政策も行っています。
しかし外国人労働者の受け入れを増やせば、どうしてもそれに比例して不法就労の外国人も増えてきます。
もし自分の会社で不老就労の外国人を雇ってしまうとどうなってしまうのでしょうか?
雇用した側にも何かしらの罰則はあるのでしょうか?
まずはそもそも不法就労とは何なのかを知っておく必要があります。
不法就労については以前に書いた記事があるので是非目を通してみてください。
ざっくりと解説すると下記の4つのパターンが「不法就労」になります。
①日本に不法に入国・上陸した正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動。(不法入国者等)
②与えられた在留期間を超えて不法に残留し、正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動。(オーバーステイ等)
③就労不可の在留資格を得ている外国人が、資格外活動許可を受けずに行う収入を伴う活動。
④就労の在留資格を得ている外国人が、与えられた在留資格の範囲を超えて行う収入を伴う活動。
うっかりしてた、知らなかったでは済まされないので不法就労については特に注意が必要です。
もし外国人社員を不法就労させてしまったら、本人だけでなく会社や社長にも「不法就労助長罪」が科されてしますかもしれませんので、十分お気を付けください。
不法就労助長罪とは
外国人労働者の採用が増えている中、外国人を雇用する際のルールがわからないと答える企業が全体の半数近く存在します。
知らず知らずのうち、違法状態の可能性が十分にありえるということです。
特に不法就労助長罪に関し、知らないと答えた企業が全体の半数、内容は覚えていないと答えた企業が全体の4分の1に及び、実に8割程度の企業が無理解の中で雇用している可能性が出てきました。
「不法就労助長罪」とは下記の行為が対象となっています。
①事業活動に関し、外国人を雇用するなどして、不法就労活動をさせる行為
②外国人に不法就労活動をさせるために、これを自己の支配下に置く行為
③業として、外国人に不法就労活動させる行為又は②の行為に関してあっせんする行為
上記に該当した者には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられてしまいます。
不法就労と知っておきながら外国人を働かせた
在留カードを確認してオーバーステイであることが分かっていたのにそのまま働かせてしまうのは立派な法律違反です。
外国人を雇用する際には雇用対策法により、雇用状況の届け出をハローワークにしなければなりません。
届け出をしなかったり、虚偽の届け出をしたりした場合、30万円以下の罰金が科せられます。
採用担当者が勝手にやったことで、事業主である当人は知らないと言ったところで、はいそうですかと引き下がってはくれません。
不法就労の斡旋
多くの不法就労者を抱え、人手不足で困っている企業に外国人を斡旋するなどの行為は、不法就労活動を促しているということで罰則の対象になります。
安い労働力を提供し、それで大きな対価を得るという犯罪の温床になりかねません。
処罰されるのは当然ですね。
不法就労助長罪の罰則
不法就労をおこなった外国人本人には、不法入国の罪(3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金)や、無許可資格外活動の罪(1年以下の懲役もしくは禁錮または200万円以下の罰金)が適用されます。
結果として、在留資格の取り消しや退去強制処分の措置が取られます。このような措置を受けてしまうと、将来日本で働きたいと思ったときに在留資格を取得できない場合があります。
次に、企業側に適用される罰則についてです。企業側は、先ほどご紹介したように不法就労助長罪にあたり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、場合によってはその両方が科されます。
不法就労だと知らなくても処罰されます!
すでに書いた通り、雇用した外国人が不法就労であることを知らなかった場合でも、企業側に過失が認められた場合には、不法就労助長罪が適用されてしまいます。
そのため、過失がないレベルまで確認を徹底することが重要です。ここでいう過失とは、「うっかりしていた」など、注意が不足している場合を指します。
例えば、「在留カードをよく確認しなかった」、「不安な点があったが、専門家に聞かなかった」といった理由で結果的に不法就労させてしまった場合は、過失があったと見なされてしまうでしょう。
一方で、「確認を徹底したが、偽物の在留カードを見抜けなかった」など、可能な限りを尽くしたにもかかわらず、結果として不法就労になってしまった場合は、過失の有無について、認識が変わるかもしれません。
在留カードは、在留資格を持つ外国人であれば必ず持たされるモノであり、観光ビザの外国人には渡されません。
つまり、在留カードを提出できない時点で在留資格がない、オーバーステイなどが考えられるので、在留カードの確認を怠る行為は過失ということになります。在留カードを見れば就労不可かどうかも書かれており、もし資格外活動の許可が出ていない場合、それが出てから雇用の検討を行う形が望ましいです。
そこまでのことをしたけど防ぎようがなかった場合もあるでしょう。その場合は、本当に注意義務を果たしたのかが問われます。外国人を雇用する場合、細心の注意を払うだけでなく、専門家に相談することも必要でしょう。
不法就労助長罪とみされないための防御策
①在留カード(およびパスポート)の記載内容をコピーではなく原本で確認
②在留カード等番号失効情報照会を利用して偽変造や失効の有無を確認(入管のHPで確認できます)
③「就労資格証明書」を提出してもらう(在留カードの偽変造を見抜くため)
以上のことをしていれば、雇用主のあなたの身は守れます。
①と②さえしていれば十分と思いますが、在留カードの偽変造が心配な方は念のため③までやっておけば安心です。
不法就労とは直接関係がありませんが、外国人を雇った、あるいは、外国人が離職した場合には、ハローワークへの届け出も必ず行ってください。これを怠ると罰金の対象になります。
不法就労助長罪まとめ
不法就労助長罪について解説しましたが、この罪に問われないように雇用側の企業や個人はとにかく注意してください。
その為には在留資格について正しい知識を持ち、在留カードをしっかり確認することが重要です。
ただし、在留カードは偽物も多く出回っていて、普段見慣れていない在留カードの真偽を判別することは難しい場合もあります。
大事なのはとにかく確認を怠らない事です。
そして、自分だけで判断をしない事です。
本当に大丈夫なのかと、不安に感じた場合は出入国在留管理庁か行政書士に相談することをおすすめします。
注意を怠ったがために懲役刑を食らう、悔やんでも悔やみきれない事態を防ぐためにも、やるべき事はやり、オーバーステイが発覚すれば速やかに通報するぐらいの潔癖さが必要です。
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