
10/22 (水)更新
特定技能外国人の報酬に関する説明書の書き方・記入例と注意点を徹底解説
外国人材の受け入れを進める企業にとって、「特定技能外国人の報酬に関する説明書」は避けて通れない書類の一つです。
入管への在留資格申請や更新手続きの場面では、日本人と同等以上の報酬であることを示す証明としてこの説明書が求められます。
しかし、実際に作成するとなると、「比較対象となる日本人がいない場合はどうするのか?」「賃金規定が社内に存在しないときの対応は?」など、多くの疑問や不安が生まれるのが現実です。
さらに、雇用契約書や支援計画書など他の提出書類と矛盾がないように整合性をとる必要があるため、正確性と丁寧な対応が求められます。
この記事では、報酬に関する説明書の書き方や記入例を具体的に紹介しながら、審査で不備とされやすいポイントや、実務での運用ノウハウもあわせてわかりやすく解説します。
初めて作成する企業担当者の方にも、再提出を防ぎたい実務者の方にも役立つ内容です。
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特定技能外国人の報酬に関する説明書とは?どんな時に必要か
外国人材の雇用にあたって、「日本人と同等以上の報酬水準であること」は、在留資格「特定技能」の大前提です。
その証明書類として、出入国在留管理庁が定めるのが「特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)」です。
これは単なる賃金額の記載ではなく、日本人労働者との比較や、賃金規定・就業実態との整合性をもって説明することが求められる書類であり、形式上の提出にとどまらず、実質的な審査の対象にもなります。
このセクションでは、まずこの説明書の位置づけや提出先、さらにどのような場面で提出が必要なのか、そして例外的に不要とされるケースについて詳しく解説します。
参考様式第1-4号の位置づけと提出先
「特定技能外国人の報酬に関する説明書」は、法務省が定める出入国在留管理庁の提出書類の一つで、「参考様式第1-4号」として定型フォーマットが公開されています。
この様式は、特定技能の在留資格を新たに取得する際や、在留期間の更新・変更手続きの際に必要となる書類群の中に含まれており、必ず添付することが求められています。
提出先は原則として出入国在留管理局(地方入管)ですが、申請手続きを支援する登録支援機関を介して提出するケースもあります。
いずれの場合でも、提出時点ですべての記載事項が正確かつ一貫性のある内容になっていることが前提とされており、不備があれば即時で不受理や追加資料の要請となる可能性があるため注意が必要です。
説明書の作成が必要となるケース(新規・更新・変更時など)
この説明書が必要となるのは、主に以下のケースです。
- 新規で特定技能ビザを取得する場合(1号・2号ともに)
- 在留期間の更新申請を行う場合
- 在留資格の変更(例:技能実習→特定技能など)を行う場合
- 所属機関や就業先の変更に伴う手続き
つまり、「報酬条件が申請上で審査対象となる場面」では、原則として必須と考えて差し支えありません。
また、複数の外国人を同時に申請する場合でも、それぞれに対して別々に説明書を作成・提出する必要があります。
同一企業内で複数名の外国人材を受け入れる際は、個別の労働条件に即した記載を行いましょう。
加えて、賃金改定や賞与支給の見込み額に変更が生じた場合など、報酬条件に関する情報が変動した場合にも再提出が求められることがあります。
こうしたケースは入管職員の判断による部分もあるため、事前の確認が推奨されます。
提出が不要になる場合・例外的なケース
一部のケースでは、この説明書の提出が免除または不要となることもあります。
代表的な例として以下のようなパターンが挙げられます。
- 在留期間更新時で、報酬条件に一切変更がないことが明確な場合
- 同一企業・同一職種で、直前の審査において十分な説明がなされていると判断された場合
- 技能実習から特定技能へ移行する際に、すでに十分な比較資料(技能実習中の給与実績など)が提出済みの場合
ただし、こうした免除はあくまで入管側が「補足書類が不要」と判断した場合に限られるものであり、自己判断で提出を省略することはできません。
少しでも報酬条件に変化がある、または提出免除の判断に不安がある場合は、必ず添付しておくほうが安全です。
実際には、提出を省いたことにより審査期間が長期化するトラブルも発生しており、特に初回の申請時や制度変更があった直後は、なるべくすべての推奨書類を添付するのが実務上の鉄則といえるでしょう。
▼説明書は「任意書類」ではなく「審査対象書類」
「特定技能外国人の報酬に関する説明書」は、単なる参考様式ではなく、報酬の妥当性を立証する正式な審査資料です。
特定技能の導入においては、日本人と同等以上の待遇が法律上義務付けられており、その適正性を証明するための根拠として、この書類は極めて重要な役割を担っています。
提出が必須となるタイミングや例外ケースを正しく理解し、的確に記載・提出することが、スムーズな申請や審査通過につながります。
また、他書類との整合性や不備の有無を事前にしっかり確認しておくことで、余計な手戻りや審査遅延も避けることが可能です。
今後の制度改正や実務の運用変化にも柔軟に対応できるよう、制度理解と社内の体制整備を進めておくことが重要です。
特定技能外国人の報酬に関する説明書の記入例・記載方法
特定技能外国人の在留資格を申請する際に求められる「報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)」は、単に給与額を記載するだけでなく、「同等の日本人労働者との比較」が大きなポイントとなります。
しかし、実際の現場では「比較対象となる日本人がいない」「賃金規定が未整備」「外国人の方が給与が高い(あるいは低い)」といった状況もあり、記載方法に迷うケースが多発しています。
このセクションでは、具体的な記入パターンごとに適切な書き方を解説し、審査でのトラブルを回避するためのポイントを押さえていきます。
比較対象となる日本人労働者がいる場合の記載例
最も標準的なパターンです。同一業務・同等の経験年数を持つ日本人労働者が在籍している場合、その労働者の賃金(基本給、手当、賞与等)を具体的に記載し、比較する形となります。
記載例
特定技能外国人Aの予定月給 – 250,000円(基本給220,000円+皆勤手当10,000円+住宅手当20,000円)
日本人労働者B(同業務・同経験年数)の実際の月給 – 248,000円
⇒同等水準以上の報酬であり、職務内容・責任範囲も同等である。
この場合、給与明細や就業規則の写しを添付することで、証拠資料としての整合性も補強できます。
比較対象となる日本人労働者がいない場合の記載例
中小企業や新設部署などでは、同じ業務に日本人が従事していないこともあります。
その場合は、「日本人雇用の予定があればその水準」「業界水準・賃金テーブル」を元に説明します。
記載例
当該業務に従事する日本人は現時点で在籍していないが、今後の採用時には同額を支給予定。
予定給与額(260,000円)は、同業他社の求人情報・厚労省職業安定業務統計(同職種平均253,000円)を参考に設定している。
補足資料として求人票や統計情報URLの添付が推奨されます。
説得力ある外部基準の明示が重要です。
賃金規定がない、同職種で日本人を雇用していない場合の対応
会社の規模や設立年数によっては、「賃金規定が未整備」「同職種が外国人しかいない」といった状況もあります。
その場合は、会社全体の給与体系や、他の部門の日本人社員の処遇を参考にする方法があります。
記載例
本業務は外国人材が初の採用であるため、同職種の日本人従事者は不在。
当社では同等の業務負荷を要するA部門において、経験1~2年の日本人に月給255,000円を支給しており、外国人への給与(260,000円)もこれに準じて設定している。
また、今後の就業規則整備の予定や、社内評価制度の説明もあわせて記載すると、制度的な正当性が伝わりやすくなります。
同じ経験年数で日本人より特定技能外国人の給与が高い(または低い)場合の書き方
このようなケースでは、「なぜ差が出るのか」を明確に説明する必要があります。
差額が合理的な理由に基づくものであれば問題ありませんが、説明不足だと「不適切な待遇」と判断される恐れがあります。
外国人の方が高い場合の記載例
外国人Aは同職種の日本人よりも機械操作・母国での実務経験が豊富であり、即戦力としての期待が高いため、日本人平均よりも高い給与(+15,000円)で処遇する
外国人の方が低い場合の記載例
外国人Bは日本語レベルがN4相当で、業務習得に支援が必要なため、試用期間中は日本人の基本給より月額10,000円低く設定している。
ただし、3か月後にスキル確認を行い、同等水準に引き上げる予定である。
いずれの場合も、評価基準や社内方針に基づく客観的な根拠を添えることが必須です。
▼説明書は「誠実に、合理的に」記載することが審査通過のカギ
報酬に関する説明書は、企業の処遇方針そのものが問われる重要書類です。
どのような状況であっても、「なぜこの金額なのか」を日本人労働者との比較や企業方針に基づいて論理的に説明する姿勢が不可欠です。
比較対象がいない、規定がないといった場合でも、「外部水準との比較」「社内他部署の参考」など、“合理的な根拠”での補完が可能です。
また、差異がある場合も「期待値」「経験差」「試用期間」などの理由を明示し、一貫性のある処遇方針を提示することが信頼性につながります。
書式はあくまで「参考様式」ですが、審査官はその記載内容から企業姿勢やコンプライアンス意識を判断します。
誤魔化しなく、真摯な姿勢での作成が、スムーズな在留資格申請の近道といえるでしょう。
特定技能外国人の報酬に関する説明書の注意点
特定技能の在留資格申請に必要な「報酬に関する説明書」は、単なる給与明細のように見えて、法的観点や制度趣旨を踏まえた記載が求められる重要書類です。
内容に不備や不明瞭な点があると、申請の差し戻しや審査遅延、最悪の場合は不許可の可能性もあります。
このセクションでは、実務担当者が特に注意すべき「添付書類の整備」「計算方法の説明」「不備回避のコツ」について詳しく解説します。
書類作成前に押さえておくことで、スムーズな手続きと申請成功率の向上が期待できます。
添付資料・証明書類の準備(給与規程・雇用契約書など)
報酬に関する説明書は、単体では不十分であり、根拠となる添付書類の提出が求められます。
主に以下の資料が必要となるため、事前に準備しておくことが重要です。
- 就業規則(賃金規定を含む)
- 雇用契約書または内定通知書
- 給与テーブルや昇給制度の概要
- 比較対象となる日本人の給与明細(可能な範囲)
- 求人票やハローワーク提出資料
たとえば、「月給25万円支給予定」と説明書に記載しても、雇用契約書に26万円と書かれていれば不一致と見なされ、訂正が必要になります。
また、日本人との比較をする場合には、同等の職務・経験年数であることが分かる資料(社内規定や配置図など)があると信頼性が高まります。
計算根拠や換算方法の明示が必要なケース
報酬額を記載する際には、「なぜこの金額なのか」「どうやって算出したのか」を明記することが非常に重要です。
以下のようなケースでは、単に金額を記載するだけでは不十分であり、換算方法や判断基準の説明が求められます。
- 日給や時給ベースでの支給の場合(→月給への換算根拠)
- 住宅手当・家族手当などを含む場合(→各項目の内訳)
- 賞与・残業代の想定支給額が含まれている場合
- 試用期間後に給与が変わる場合(→変更時期と条件)
例を挙げると、「時給1,200円 × 21日勤務 × 8時間」で月額201,600円になるとしても、計算根拠の明記がなければ審査側では確認できません。
また、「住宅手当20,000円を含む」といった場合にも、社内規定に基づく支給であることの明記や、全従業員に対して同様であることの説明があると望ましいです。
審査が遅れる要因・不備防止のポイント
報酬説明書で不備が多いのは、以下のようなパターンです。
- 日本人との比較記載が曖昧または空欄
- 記載金額と添付書類の金額が不一致
- 賞与や手当の内訳が不明瞭
- 日給・時給からの換算根拠がない
- 添付書類が不足している
これらはすべて、審査の差し戻しや追加資料提出の原因となります。
そのため、以下のようなチェックリストを活用するのが有効です。
- 記載内容と添付資料の金額は一致しているか?
- 「比較対象あり/なし」の理由が明記されているか?
- 手当・賞与などの金額は内訳まで明示されているか?
- 賃金規定または契約書に反映されているか?
「とりあえず記入」ではなく、「誰が見ても根拠が明確である説明」を心がけることが重要です。
また、法務担当や社労士へのダブルチェックを通すことで、誤記や形式ミスの防止にもつながります。
▼報酬説明書は「内容」も「根拠」もセットで整える
報酬に関する説明書は、特定技能の審査において「待遇の適正性」「雇用主の信頼性」を測る重要な判断材料です。
単に金額を記載するのではなく、その金額に至る「合理的根拠」と「証拠資料」をセットで提出する姿勢が不可欠です。
添付資料の不足、計算根拠の曖昧さ、金額不一致などは、ちょっとした見落としでも大きな差し戻しにつながります。
社内の人事担当だけで判断せず、社労士や行政書士などの専門家と連携することも、トラブル回避に大いに役立つでしょう。
「丁寧な記載が、信頼される企業の第一歩」と捉え、確実な準備を心がけてください。
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雇用契約書・支援計画書など他書類との整合性
特定技能外国人の在留資格申請では、「報酬に関する説明書」を含む複数の書類を同時に提出する必要があります。
このとき、それぞれの書類に記載された内容が矛盾していると、審査の遅れや不許可の原因になりかねません。
特に重要なのが、雇用契約書・支援計画書・雇用条件書・事前ガイダンス確認書などとの内容整合性です。
本セクションでは、現場で起きやすい記載ミスや齟齬(そご)、翻訳時の注意点について、具体的に解説していきます。
雇用契約書・雇用条件書との内容不一致を防ぐ
報酬に関する説明書に記載する基本給・手当・支給日などの情報は、雇用契約書および雇用条件書と完全に一致していなければなりません。
たとえば、以下のような不一致が実務でよく見られます。
- 説明書では「月給23万円」と記載しているが、雇用契約書では「22万円」になっている
- 支給日が説明書では「末日」、契約書では「翌月15日」と食い違っている
- 賞与の有無が書類間で異なる
- 試用期間中の給与額が記載されていない、または説明書と契約書で異なる
このような齟齬は「企業の信頼性」を疑われる大きなリスクとなります。
申請前に全書類をクロスチェックする体制を構築することが必須です。
特に複数の担当者が書類を分担して作成している場合は、最終確認者を明確にすることが整合性担保の鍵になります。
支援計画書や事前ガイダンス確認書とのリンク方法
特定技能制度では、外国人本人に提供する生活支援内容を「支援計画書」に詳細に記載する義務があります。
また、支援内容や労働条件を説明した事実を記録する「事前ガイダンス確認書」とも、内容整合性が求められます。
たとえば、以下のような不整合は審査対象となります。
- 支援計画書では「住宅は会社手配、自己負担2万円」と記載 → 説明書では住宅手当として1万円支給と記載(負担額と整合していない)
- ガイダンス確認書で「交通費支給なし」と伝えているのに、説明書では手当ありになっている
- 支援計画書に記載された労働時間・休日と、説明書・契約書の記載が微妙に異なる
これらは外国人本人の誤解や不信にもつながりかねない重要なポイントです。
すべての書類に共通して「誰に・どんな条件で・どう支払うのか」が一致していることを確認しましょう。
母国語での翻訳対応が求められる場合の注意点
外国人本人に対しては、雇用契約内容や報酬条件について母国語での説明・翻訳対応が必須です。
そのため、報酬に関する説明書に記載された内容と、母国語訳された雇用条件書や支援計画書の内容が食い違っていないかどうかもチェックすべきです。
よくある注意点としては、
- 自動翻訳で意味が変わってしまっている(例:「基本給」が「最低賃金」と訳されるなど)
- 支給条件や控除内容が十分に説明されていない
- 翻訳者の名前や作成日が未記載(→信頼性の担保ができない)
法令上、翻訳書類そのものの提出義務はありませんが、申請時や監査時に「本人が内容を理解しているか」が問われる場面は多くあります。
特に技能測定試験や登録支援機関による支援がある場合、翻訳の精度や説明の有無は「誠実な受入れ」の証明にもなります。
翻訳は必ず人による確認を通すことを推奨します。
社内に翻訳スキルがない場合は、登録支援機関や通訳者に委託することも検討すべきです。
▼一貫性が信頼を生む。書類は全体で揃える意識を
報酬に関する説明書は、単独で審査されるのではなく、雇用契約書や支援計画書など他の書類とセットで内容を精査されます。
そのため、「各書類の作成を別々に担当している」ことが、矛盾や記載ミスの原因になりやすいのが実情です。
記載内容・金額・支給条件・支援内容・翻訳内容。
すべてに一貫性を持たせることが、受け入れ企業の信頼性を高め、スムーズな審査通過にもつながります。
申請前には書類一式を見直し、内容に矛盾がないかを第三者目線でチェックしましょう。
整合性が保たれていることで、外国人本人にとっても安心感が生まれ、長期就労への信頼関係構築にもつながります。
トラブル防止のための「報酬説明書」運用の実務ポイント
特定技能外国人の受け入れにおいて提出が求められる「報酬に関する説明書」は、単に書類として用意すれば良いというものではありません。
運用の仕方次第で、将来的なトラブルや指摘リスクを未然に防ぐか、逆に不備や疑義を招くかが大きく分かれます。
本セクションでは、報酬説明書を正確かつ効率的に管理・更新していくための社内体制の整備、専門家の活用、クラウド運用の実例など、実務レベルで押さえるべき運用ポイントを詳しくご紹介します。
監査や更新時に備える社内体制づくり
報酬に関する説明書は、在留資格の申請時だけでなく、在留更新、受入れ期間満了後の報告、出入国在留管理庁による実地監査などにも関わる重要な書類です。
そのため、以下のような社内体制を構築しておくことが、トラブル防止に直結します。
- 雇用契約や報酬条件の変更時に必ず説明書を更新する運用ルールを定める
- 更新管理を人事・労務チームだけでなく、管理部門・支援機関と連携して行う
- 帳票のバージョン管理や履歴保存ルールを整備しておく
- 突発的な監査への備えとして、過去の説明書・契約書・支援資料を一元的に管理する
現場任せにせず、「誰が・いつ・どのようにチェックするか」を明文化した運用マニュアルの作成も有効です。
また、雇用契約更新や給与改定のたびに報酬説明書も見直すフローを定着させることが、将来的な指摘を避けるカギになります。
第三者チェック(行政書士・社労士)を活用するメリット
制度運用に慣れていない中小企業では、「雇用契約と報酬説明書の整合性」「書類記載の妥当性」を判断することが難しい場合があります。
そのため、行政書士や社会保険労務士など外部の専門家による第三者チェックの導入は、大きなメリットがあります。
以下のような活用方法が考えられます。
- 申請前の事前チェックとして、報酬説明書と雇用契約書の整合性を確認してもらう
- 過去の申請書類のレビュー・改善提案を受ける
- 支援機関と連携して、報酬基準や労働条件の適正化を図る
- 監査や指導が入った場合の相談窓口として備える
特に、給与の内訳や比較対象となる日本人労働者との関係性など、解釈に個別性が伴うケースでは、専門家の助言がリスク低減に直結します。
費用はかかりますが、1件の不許可や是正指導による損失リスクを考えれば十分に費用対効果が見込める投資です。
デジタル化・クラウド管理での効率化事例
複数の特定技能外国人を受け入れている企業では、報酬説明書の更新・管理の負担が年々大きくなります。
そこで注目されているのが、クラウドストレージや管理システムを活用した業務効率化です。
実際の運用事例として、以下のような工夫が導入されています。
- 報酬説明書・雇用契約書・支援計画書などをGoogle DriveやBoxなどに一元管理
- 従業員情報に紐付けて「有効期間」「更新期限」「最終更新日」を一覧で把握できる台帳を作成
- 変更があった場合、チーム内に通知が届くワークフロー設定
- 翻訳済み書類も一緒に格納し、本人確認時にも活用できるようにする
こうした仕組みを構築することで、担当者の異動や申請業務の属人化を防ぎ、誰でも履歴や記載根拠を追える体制になります。
結果として、申請の精度が上がり、審査機関とのやり取りもスムーズに進むようになります。
▼「正確さ」と「効率化」の両輪で、報酬説明書を活用しきる
報酬に関する説明書は、単なる提出書類ではなく、外国人雇用の健全性や適正性を示す重要な運用ツールです。
そのため、内容の整合性・証拠性を保ちつつ、効率的に更新・管理できる体制を整えることが求められます。
社内体制の整備、第三者チェックの導入、クラウドによる文書管理の仕組み化。
これらを組み合わせて運用することで、トラブルのない安定した外国人雇用が実現できます。
制度が複雑化しつつある今こそ、「申請書類の管理は経営課題の一部」と捉えて、持続的な改善と精度向上に取り組む姿勢が重要です。
特定技能外国人の報酬に関する説明書の作成・運用でトラブルを防ぐために
特定技能外国人を受け入れる企業にとって、「報酬に関する説明書」の作成は単なる形式的な作業ではなく、労働条件の透明性や適正な運用を裏付ける重要な書類です。
新規雇用や在留資格の変更・更新時には提出が求められるケースが多く、他書類との整合性も含めて慎重な対応が求められます。
特に次のようなポイントを押さえることが、トラブルの防止につながります。
- 記載内容と雇用契約書・支援計画書との整合性
- 計算根拠や同等性の示し方に関する明確な説明
- 添付資料の不備や誤差による審査遅延の回避
- 監査や更新を見越した社内体制の構築
- 行政書士や社労士など第三者の確認によるリスクヘッジ
- 報酬情報をデジタルで一元管理する工夫
制度の信頼性を保ちつつ、外国人材との長期的な関係構築を実現するためには、こうした運用の実務的な視点が不可欠です。
書類の正確さだけでなく、企業としての誠実な姿勢を表すものとして、「報酬説明書」を戦略的に活用していきましょう。
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