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07/25 (金)更新

【注意】特定技能で一時帰国する前に知るべき「みなし再入国」の落とし穴

海外の家族に会いたい、母国での用事を済ませたい、特定技能で働く外国人にとって「一時帰国」は大切な時間です。

 

しかし、正しい手続きを踏まずに帰国してしまうと、次回の入国ができなくなったり、在留資格自体が消滅してしまうケースもあることをご存知でしょうか。

 

特に注意すべきなのが「みなし再入国許可」の扱いです。この制度は一見便利に見えますが、申請の条件や有効期限を誤解したまま使うと、深刻なトラブルにつながる落とし穴が潜んでいます。

 

本記事では、特定技能での一時帰国に関する制度の基本、必要な届出、みなし再入国制度の注意点、よくある失敗例やQ&A、サポート制度の有無までを網羅的に解説します。

 

「一時帰国したいけど手続きが不安」「雇用主として何をすべきかわからない」と感じている方にも、今すぐ役立つ実践的な情報をお届けします。

 

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特定技能外国人は一時帰国できる?制度上の基本ルール

特定技能の在留資格で働く外国人が「一時帰国」を希望するケースは多くあります。

 

家族の事情、健康上の理由、あるいは宗教行事への参加など、目的はさまざまです。

 

しかし、特定技能制度における「一時帰国」は単なる私的な帰国ではなく、在留資格との関係や再入国の可否に深く関わる制度上のルールが存在します。

 

この章では、特定技能外国人が一時帰国できる条件や、帰国によって在留資格にどのような影響があるのか、「帰国終了」との違いは何かなど、誤解が多いポイントを明確に整理して解説します。

一時帰国の可否と前提条件

結論から言えば、特定技能外国人は一時帰国できます

しかし、それは「在留資格を維持したまま再び日本へ戻ることを前提とした一時的な帰国」である場合に限られます

制度的には、出入国在留管理庁も一時帰国を認めており、事前に所定の手続きと関係機関への届出を行うことで問題なく帰国・再入国が可能です。

ただし、いくつかの重要な前提条件があります。

  • 受入機関(雇用主)や登録支援機関との合意が取れていること

     

  • 再入国の意思が明確であること(雇用契約の継続など)

     

  • 在留カードの有効期限内であること

     

  • 90日以内に再入国する、または再入国許可を取得して出国すること

これらの条件を満たさない場合、帰国は「一時」ではなく「帰国終了」扱いとみなされ、在留資格が失効するリスクが高くなります。

一時帰国にあたっての在留資格の取り扱い

一時帰国をする際に最も注意すべきなのが、在留資格と再入国許可の扱いです。

日本に3ヶ月以上在留していた中長期滞在者(特定技能も含む)は、「みなし再入国許可制度」を使うことで、簡易な手続きで90日以内の再入国が可能になります。

ただし、以下のようなケースでは、在留資格が失われる可能性があります。

  • 出国時に「みなし再入国許可」の意思表示をせずに出国した場合

     

  • みなし再入国許可で出国後、90日を超えて帰国が遅れた場合

     

  • 在留カードの有効期限内に戻らなかった場合

     

  • 雇用契約が解除されたまま出国し、再雇用の予定がない場合

特定技能制度では、就労先との雇用契約が在留資格の根拠となっているため、契約解除や転職手続き中の出国は特に注意が必要です。

つまり、「ただ帰るだけではダメ」であり、制度上の整合性を保った状態での出国が求められるのです。

「一時帰国」と「帰国終了」の違いとは?

制度上、出入国在留管理庁では、以下のように2つの帰国を区別しています。

  • 一時帰国(Temporary Return)
    → 雇用契約が続いており、再入国予定がある。みなし再入国許可や通常の再入国許可を取得して出国するケース。

     

  • 帰国終了(Definitive Return)
    → 雇用契約の終了などにより、再入国の予定がない完全な帰国。日本での在留資格は消滅し、再来日には新たなビザ取得が必要。

この違いは、就労継続の意思と雇用契約の有無、そして適切な再入国許可の取得があるかどうかで判断されます。

一時帰国と見なされるには、必ず以下の3点が揃っていることが望まれます。

  1. 在留資格が有効であること

     

  2. 再入国の意思と契約関係が継続していること

     

  3. 出国時に「みなし再入国」または「再入国許可」を選択していること

この違いを正しく理解せずに出国してしまうと、「一時帰国したつもりが在留資格を失っていた」という重大なトラブルに直結します。

▽一時帰国は可能だが、制度理解が前提

特定技能外国人の一時帰国は制度上可能ですが、在留資格を守りながら帰国するためには、制度への理解と適切な準備が必須です。

特に、「みなし再入国制度」の仕組みや、雇用契約の継続状況によっては、再入国できないリスクや在留資格の失効といった致命的な問題にもつながりかねません。

大切なのは、「一時帰国=自由に帰れる」ではなく、“日本に戻る前提で制度の枠内で帰る”という意識を持つこと
企業側・支援機関側も制度の誤解がないよう、出国前の指導やサポート体制を整えることが求められます。

特定技能での一時帰国の手続きと流れ

特定技能で働く外国人が一時帰国を希望する場合、ただ帰国するだけでは済まされません。

 

在留資格を維持したまま再入国するには、決められた手続きとスケジュールに従う必要があります。

 

手続きの不備があると「みなし再入国が無効」「在留カードが失効」「再入国できない」といった深刻な事態を招きかねません。

 

このセクションでは、一時帰国前に必要な届出から、帰国中の注意点、そして再入国の準備までを時系列でわかりやすく整理しています。

 

「何を、どこに、いつまでに」対応すべきかを理解することで、安全かつ確実に再来日できるようになります。

一時帰国前の届出・手続き内容

一時帰国を予定している場合、出国前にいくつかの手続きを済ませておく必要があります。 

これらを怠ると、再入国時にトラブルが発生する可能性があるため、事前準備は非常に重要です。

具体的には以下のような流れになります。

  • ① 雇用主または登録支援機関への相談・合意
    再入国を前提とした一時帰国には、雇用契約が継続していることが前提となります。そのため、まずは所属企業・登録支援機関に帰国の意思を伝え、帰国予定日・期間・再入国日などを共有しましょう。

     

  • ② 出入国在留管理庁への届出(みなし再入国許可の意思表示)
    特定技能の外国人が90日以内の一時帰国をする場合、「みなし再入国許可制度」が利用できます。
    出国時に空港で「再入国出国記録書」に〇を記入し、「みなし再入国許可を希望する」と明示する必要があります。

     

  • ③ 在留カードの確認(有効期限)
    在留カードの有効期限が出国日以降も有効であるかを確認しておきましょう。
    期限が近い場合は、事前に更新を済ませてから帰国するのが安全です。

     

  • ④ 雇用契約書類の保管
    再入国時に在職証明や契約継続を示す書類の提示が求められるケースもあるため、雇用契約書・在籍証明書のコピーを持参しておくと安心です。

帰国中の在留カードの管理と注意点

一時帰国中も、在留カードの管理は非常に重要です。

紛失・破損・盗難が発生した場合、再入国時の審査や入国自体に影響する可能性があるため、慎重な取り扱いが求められます。

注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 在留カードは常に所持・携行すること(紛失防止)

     

  • スーツケースなどに入れて預け荷物にしない(航空会社での紛失リスク)

     

  • 盗難・紛失時は、現地警察での証明書と日本大使館への相談が必須

また、出国から90日を超えた場合は「みなし再入国許可」が無効になります。

再入国の予定が90日を超える場合は、事前に「再入国許可」を取得しておく必要があります。

加えて、雇用主や支援機関との連絡を帰国中も維持しておくことが重要です。 

企業側が再雇用の意思を示さない場合、入国審査でトラブルになることもあります。

再入国時の必要書類と入国までの流れ

再入国する際にも、事前準備が鍵となります。

特に、再入国審査では在留資格の継続性と本人確認が重要視されるため、必要な書類や情報を整えておくことが大切です。

再入国時のポイント

  • パスポートと在留カード(有効期限内)を必ず携行

     

  • 出国時に「みなし再入国希望」と記載されているかを再確認

     

  • 雇用契約書・在籍証明書があるとスムーズに対応可能

     

  • 飛行機搭乗前のチェックインで「在留カード」の提示が求められる場合あり

     

  • 空港の入国審査ブースでは、滞在目的(特定技能)や再入国理由を明確に説明する

また、現在は感染症対策として、国や地域によってPCR検査証明書の提出や健康申告書の記入が必要なケースもあります。

帰国先の日本大使館・領事館または出入国在留管理庁の最新情報を事前に確認しておきましょう。

▽“帰ってこれる”一時帰国には段取りがすべて

特定技能での一時帰国は認められていますが、それは制度に基づいた手続きと責任ある行動が前提です。
みなし再入国の申告忘れ、在留カードの失効、契約不継続、たった1つの見落としが「もう日本に戻れない」という最悪の結果を招くこともあります。

安心して一時帰国し、スムーズに再来日するためには、

  • 出国前の届け出・契約確認

     

  • 在留カードの管理

     

  • 再入国に必要な書類の準備

これらを「前もって準備する習慣」が最も重要です。
支援機関や雇用主とも連携をとり、正しい手順での一時帰国を実現しましょう。

「みなし再入国許可」とは?申請ミスで起こるリスク

「一時帰国するけど、帰ってこれるよね?」

 

特定技能で働く外国人からこう質問されたとき、正確に答えられる企業や支援機関はどれほどあるでしょうか。

 

再入国時に必要な「みなし再入国許可」制度は、名前だけが一人歩きして誤解を生みやすい制度の一つです。

 

とても便利な仕組みである一方、条件や期限を守らなければ“在留資格が消滅する”重大なリスクが伴います。

 

この章では、みなし再入国制度の基本から、実際の手続き方法、そして忘れた場合の具体的なトラブル例までを詳しく解説します。

 

支援機関・受入企業が外国人に正しい指導ができるようになるためにも、制度の理解は不可欠です。

みなし再入国制度の概要と対象者

「みなし再入国許可」とは、中長期在留者(在留カードを持っている人)が出国時に申告するだけで、簡易な手続きで再入国できる制度です。

これは2012年7月に導入された制度で、通常の「再入国許可」と比べて以下のようなメリットがあります。

  • 入国管理局での事前申請が不要

     

  • 手数料がかからない

     

  • 空港での申告のみで許可される

     

  • 出国から「1年以内」または「在留カード有効期限内」で再入国できる

対象者は以下の通りです。

  • 有効な在留資格を持つ中長期滞在者(特定技能も含む)

     

  • 有効な在留カードとパスポートを持っている

     

  • 原則として「出国後1年以内」に帰国する意思がある

ただし、「特定技能」など就労系の在留資格では、雇用契約が継続していることが実質的な前提です。

つまり、「形式的な資格要件」だけでなく、「再就労の実態」が問われるケースもあり、実務上は慎重な運用が必要です。

みなし再入国の手続きと期限管理

みなし再入国制度を利用するには、空港で**“出国記録書類へのチェック”という簡単な行為が必要です。

具体的には、出国審査時に「みなし再入国を希望するか」という記載欄に✓(チェック)を入れることで自動的に適用されます。

ただし、制度には明確な制限があります。

  • 再入国期限は“出国日から1年以内”(※ただし在留カードの有効期限が短い場合はその期限内)

     

  • 出国前に「みなし再入国許可を希望する」と意思表示しないと無効

     

  • 帰国が1年を超える場合は、通常の「再入国許可」が必要

【注意すべき点】

  • 出国時に口頭で伝えるだけでは不十分。必ず出入国カード(EDカード)または専用端末での入力確認を行うこと。

     

  • 在留カードの有効期限より帰国日が後になる場合は、再入国できない

たとえば、在留カードが残り3ヶ月しかない状態で帰国し、90日後に戻ろうとすると、再入国が認められない可能性があるため、カードの期限管理は極めて重要です。

手続き忘れで在留資格が消滅するケースとは?

もっとも深刻なのが、「みなし再入国許可」の申請(意思表示)を忘れて出国したケースです。

この場合、その時点で「再入国の意思なし=帰国終了」と見なされ、在留資格が消滅してしまう可能性があります。

よくあるケース

  • 空港で慌てていて、チェックを入れ忘れた

     

  • 在留カードの有効期限を勘違いしていた

     

  • 雇用契約終了後の帰国だったが、「また来ればいい」と軽く考えていた

     

  • 支援機関や企業が「説明しなかった/知らなかった」

このような状況では、再来日には“新たな在留資格申請”が必要となり、特定技能の要件を最初から満たし直さなければなりません。

さらに、再入国拒否のリスクや、支援機関・雇用主との信頼関係にも影響を与えるため、制度理解と事前指導は企業側にも責任があると言えるでしょう。

▽“出国前のひと手間”が、在留資格を守る

みなし再入国制度は非常に便利で、特定技能外国人にとっても手軽に利用できる仕組みです。
しかし、その便利さの裏には“自己責任”と“期限管理”が強く求められます。

特に注意すべきポイントは以下の3つです。

  • 出国時に「再入国意思あり」の意思表示(チェック)を確実に行う

     

  • 90日以上帰国する、または在留カード期限が迫っている場合は再入国許可を取得する

     

  • 雇用契約・支援体制が継続しているかを明確にしてから帰国する

制度を正しく使えば、一時帰国は問題なく可能です。
しかし、ひとつの見落としが“再来日できない”という致命的なリスクにつながることを、本人・企業ともに強く意識すべきです。

支援機関や企業担当者は、出国前に本人へ制度説明を徹底し、チェック項目を明文化するなど、ルールとしての運用を整備することが望まれます。

一時帰国に関するよくある疑問と注意点

特定技能で働く外国人が一時帰国を検討する際、制度の理解不足や情報の食い違いからトラブルが起こるケースが少なくありません。

 

「一時帰国って義務?」「会社に許可はいるの?」「戻れなくなるって本当?」といった現場でよく聞かれる疑問には、制度上の正解と現実の対応に差がある場合もあります。

 

このセクションでは、支援機関や雇用主、そして当事者である外国人本人が迷いやすい4つの疑問点について、制度的な観点と実務的な注意点の両面から解説します。

一時帰国は義務なの?希望制なの?

特定技能制度において、一時帰国は「義務ではなく希望制」です。

つまり、本人の希望により私的な理由(家族の用事・冠婚葬祭・健康上の事情など)で一時帰国することは可能であり、強制的に帰国させられる義務はありません。

ただし一部の支援機関や企業で、「定期的に帰国させないといけない」と誤解しているケースも見受けられます。

これは技能実習制度で定められていた“帰国後講習”などと混同している可能性があり、特定技能制度では不要です。

一方で、あくまで就労継続を前提とした在留資格であるため、

  • 長期間の無断帰国や不在

     

  • 理由不明な帰国中の音信不通

などがあると、制度上の「就労継続意思なし」と判断されるおそれがあるため、希望制とはいえ事前の調整と報告は必須です。

雇用主や登録支援機関の同意は必要?

法的には、一時帰国自体に雇用主や登録支援機関の「許可」や「同意」は明記されていません。
しかし、実務上は必ず相談・合意を取るべきです。

理由は以下のとおりです。

  • 雇用契約が継続していることが在留資格の前提であるため

     

  • 再入国後の就労継続が見込まれることを証明できる体制が必要なため

     

  • 企業側・支援機関側でも、帰国スケジュールに応じた支援対応が必要になるため

また、支援計画には「生活支援」や「入出国支援」などの項目が含まれており、勝手な帰国や未報告の行動は支援義務違反や契約違反にあたる可能性もあるため注意が必要です。

実際の現場では、以下のような対応が推奨されます。

  • 帰国理由・期間・再入国予定日の事前報告

     

  • 再入国後の勤務予定確認

     

  • 支援機関による出国前オリエンテーションの実施

制度上の義務はなくても、信頼関係の維持とトラブル防止の観点から「相談ベースの同意取得」が実質的に必要不可欠と言えるでしょう。

再入国が拒否される可能性はある?

基本的に、在留資格が有効で、再入国手続きが正しく行われていれば拒否されることはありません。

しかし以下のようなケースでは、再入国が拒否または保留されるリスクがあります。

  • みなし再入国制度の利用申請を忘れたまま出国した場合

     

  • 90日を超えて帰国していた、または在留カードの有効期限を過ぎていた場合

     

  • 帰国中に雇用契約が終了していた場合

     

  • 過去に法令違反・不法就労・税務不履行などがある場合

     

  • 入国時に再就労の証明(契約書など)を持っていない場合

また、コロナ禍のように水際対策が厳しい時期には、PCR証明書の不備や防疫措置違反によって一時的に入国拒否されるケースもありました。

確実に再入国するためには、

  • 雇用継続を証明できる書類(契約書・在籍証明書など)の携行

     

  • 在留カードとパスポートの有効期限確認

     

  • 出国時の再入国意思表示の有無(みなし or 再入国許可)

これらの制度面・書類面のチェックと、企業・支援機関との連携が鍵になります。

帰国中に在留カードを紛失した場合の対応

もし一時帰国中に在留カードを紛失・盗難・破損した場合、以下の対応が必要になります。

  1. 現地の警察に紛失・盗難届を提出し、証明書を取得する

     

  2. 日本大使館または領事館に相談し、入国可能性や必要書類の案内を受ける

     

  3. 再入国時に紛失証明書を提示し、本人確認と在留資格確認を受ける

在留カードを所持していない状態でも、パスポートと帰国前の在留資格が有効である場合、特例的に再入国が認められるケースもあります。

ただし、入国審査官の判断次第では時間がかかることがあるため、「在職証明書」「顔写真付き身分証明」などの補助書類も併せて準備しておくのが安心です。

再入国後は、14日以内に入国管理局へ行き、再交付手続きを行う必要があります。

▽制度だけでなく「現場対応の丁寧さ」が安全な一時帰国を支える

特定技能での一時帰国は、制度上は自由に認められていますが、現実の運用では「周囲との連携」「書類の管理」「期限の把握」が不可欠です。
制度的な義務はなくても、支援機関・雇用主・本人それぞれが連携しなければトラブルにつながるリスクは常にあります。

特に注意すべき点は以下の4つです。

  • 一時帰国は「義務」ではなく「希望」だが、無断での帰国はリスク

     

  • 雇用主・支援機関への事前相談と合意が実質必須

     

  • 再入国時には契約継続・カード有効性・再入国手続きの有無が重要

     

  • 紛失・トラブルへの備えとして、常に書類コピーと連絡手段を確保

制度理解と現場対応の両輪で、“安全に帰れて、また戻れる”一時帰国の実現を目指しましょう。

一時帰国にかかる費用とサポート制度

一時帰国を希望する特定技能外国人にとって、制度面の確認と同じくらい大切なのが「費用面の不安」です。

 

「航空券は誰が払うのか?」「PCR検査は自己負担?」「支援機関に頼れるのか?」といった疑問は非常に多く、事前に理解していないと帰国を諦めるケースや、後からトラブルになる事例も発生しています。

 

このセクションでは、一時帰国にかかる主な費用項目と実際の自己負担範囲、さらに利用できる補助制度や支援の実態を詳しく解説します。

 

本人だけでなく、支援機関・企業側も把握しておくべきポイントを網羅的に整理しています。

航空券やPCR検査などの自己負担は?

特定技能外国人が一時帰国をする際、基本的に費用は本人の自己負担が原則です。

これは、特定技能制度において一時帰国が「私的理由」と見なされることが多いためであり、企業や支援機関が負担する義務は法的に定められていません。

実際にかかる主な費用には以下のようなものがあります。

  • 往復航空券代 – 帰国先の国や時期によって異なるが、一般的に5万円〜15万円前後

     

  • PCR検査費用(必要な国の場合)1回あたり1万円〜2万円(民間医療機関利用時)

     

  • 交通費(空港までの移動など)

     

  • 現地での滞在費用・生活費(期間による)

     

  • 海外旅行保険(任意)や医療費

これらを全額自己負担するとなると、短期の一時帰国であっても10万円以上の出費になる可能性があるため、事前の資金計画が欠かせません。

例外として、企業側の都合による一時帰国(設備都合・操業停止など)の場合は、航空券費用などを企業が負担するケースもありますが、あくまで任意対応です。

支援機関・監理団体による費用補助制度

法律上、特定技能制度では登録支援機関や受入企業が一時帰国に伴う費用を負担する義務はありません。

ただし、実態として一部の支援機関では、経済的な理由で帰国できない外国人を対象に「交通費補助」や「PCR検査費用の一部負担」などの支援を行っているケースもあります。

補助制度の一例

  • 帰国航空券の半額補助(上限〇万円まで)

     

  • PCR検査費用の実費清算(条件付き)

     

  • 帰国目的が親族の葬儀などの場合に限って支援

     

  • 長期就労者への一時金形式のサポート(勤続2年以上など条件あり)

こうした支援は義務ではなく機関ごとの任意対応であるため、帰国を検討する際にはまず所属する支援機関や企業へ相談することが最優先です。

また、地方自治体や民間NPOなどによって、災害時やパンデミック時に限定的な緊急支援が実施された例もあるため、帰国時期の社会状況によっては公的支援も検討対象となります。

帰国・再入国の際の同行サポートの有無

制度上、登録支援機関には「出入国時の空港送迎や必要な手続きの支援」が義務づけられています(出入国支援)。

これは「本人が適切な交通手段で出国・帰国できるよう、情報提供や送迎を行う」ことを指しており、費用負担とは分けて考えられます。

支援内容の具体例

  • 空港までの送迎・案内

     

  • 再入国時の空港迎えと職場までの同行

     

  • 航空券手配のサポート(予約代行・翻訳など)

     

  • 再入国書類の記載補助と事前チェック

これらは義務支援の一環として提供されるべき内容ですが、現場では以下のような対応格差が見られるのが実情です。

  • 丁寧に送迎・書類確認まで行う支援機関

     

  • 最低限のPDF資料だけ渡して終わりという機関

     

  • 再入国支援を「自己責任」として対応しない企業も存在

したがって、本人がサポートを受けられるかどうかは、登録支援機関の姿勢による部分が大きく、出国前に「どこまでサポートしてもらえるのか」具体的に確認しておくことが重要です。

▽お金と支援の「線引き」を理解し、計画的な一時帰国を

一時帰国にかかる費用は、制度的には原則として本人負担が基本です。
航空券・PCR・滞在費などが重なると、数万円〜十数万円の出費になる可能性があるため、自己資金の準備と情報の把握が必要不可欠です。

一方で、支援機関や企業が任意で行う費用補助や出入国支援も存在します。
ただし、これらは義務ではないため、期待だけで動くのではなく、事前の相談と確認が最も大切なステップになります。

特に確認すべきポイント

  • 航空券・検査費用の負担範囲(全額自己負担か、一部補助ありか)

     

  • 空港送迎や入国時サポートの有無

     

  • 緊急時・家族都合での帰国に対する柔軟な支援の有無

「制度上どうなっているか」と「実際に何をしてもらえるか」は異なります。
安心して一時帰国するには、制度の理解と現場の実態を両方見極めたうえで、自分に合った計画を立てることが鍵です。

 

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特定技能で一時帰国後に再来日できないケースと対策

特定技能で働く外国人にとって、一時帰国は心身をリフレッシュする大切な機会です。

 

しかし、いざ再入国しようとしたときに「日本に戻れない」「入国できない」といった想定外のトラブルが発生するケースが後を絶ちません。

 

「きちんと手続きしたつもりだった」「雇用主に問題ないと言われた」という声も多いなか、制度や書類のほんの小さな見落としが再来日の可否を左右してしまう現実があります。

 

このセクションでは、一時帰国後に再入国できなくなる主な理由と、その対策方法を具体的に解説します。

 

トラブルを未然に防ぐために、企業・支援機関・外国人本人それぞれが知っておくべきポイントを整理してお伝えします。

再入国許可を得られない主な理由

再入国が拒否される原因には、制度的な要件の不備と書類手続きのミスが大きく関係しています。

以下は特定技能外国人が再入国できなくなる主な理由です。

  1. みなし再入国の意思表示をせずに出国した
    → 出国時に空港で「みなし再入国許可を希望する」意思表示を行っていなかった場合、制度上は“帰国終了”扱いとなり、在留資格が消滅します。

     

  2. 在留カードの有効期限が切れていた
    → 出国時には在留カードが有効でも、再入国時に期限が切れていると原則として再入国は認められません。カードの有効期限と帰国期間の関係は常に確認が必要です。

     

  3. 90日を超える帰国だった
    → みなし再入国制度では、「出国から90日以内」の再入国を原則とする運用が多く、超過すると制度が適用されない可能性があります。正式な「再入国許可」を取っていなかった場合、入国不可となることもあります。

     

  4. 雇用契約の終了・変更があった
    → 特定技能は「就労先との契約があること」が前提です。帰国中に契約終了や企業都合の解雇があった場合、資格要件を満たさなくなり、再入国が認められなくなることがあります。

こうした原因は「制度を知らなかった」「会社が教えてくれなかった」といった情報共有不足によって起こるケースがほとんどです。

受入企業側の都合で再来日できない事例

制度上は問題がなくても、企業や受け入れ体制の事情により再来日が実現しないケースもあります。よくあるパターンは以下の通りです。

  • 企業側の業績悪化による雇用契約の打ち切り
    → 一時帰国中に「やはり戻ってこなくていい」と一方的に伝えられる例も。

     

  • 担当者の引き継ぎ不足・書類手続きの放置
    → 再入国に必要な在職証明書・雇用契約書の提供がされず、空港で入国できなかったケースもあります。

     

  • 支援機関の変更や廃止により、サポート体制が崩壊
    → 帰国中に支援機関が撤退し、本人のフォローが一切行われなくなることも。

特定技能制度では「再入国時に雇用契約が継続しているか」が明確に問われます。

企業側に再雇用の意思がなければ、形式的な在留資格があっても入国審査で拒否される可能性が高くなるのです。

就労継続の意思表示と必要な書類とは?

再来日をスムーズに行うには、「日本に戻って引き続き働く意思があること」を明確に示す準備が不可欠です。

そのために準備しておくべき代表的な書類・対応は以下のとおりです。

必須の書類

  • 雇用契約書または雇用継続証明書(署名入り)

     

  • 登録支援機関からの在籍証明書または支援継続確認書

     

  • 在留カード(有効期限内)とパスポート

推奨される対応

  • 企業担当者の連絡先と緊急連絡方法を共有しておく

     

  • 帰国前に「帰国理由」「帰国期間」「再入国予定日」を明文化し、支援機関に提出する

     

  • 会社側にも再来日のスケジュールを共有してもらうことを依頼する

また、帰国中も企業との定期連絡(メッセージやオンライン面談など)を維持することが重要です。

就労継続の「意思」と「実態」の両方が確認できる状態を保つことで、入国審査の際にもスムーズに通過できる可能性が高くなります。

▽「帰れるつもり」では危険。確実な再来日のために準備すべきこと

特定技能での一時帰国後に再来日できなくなるケースは、決して少なくありません。
その多くは「制度の認識不足」「雇用契約の確認不足」「書類の準備不足」から生じています。

特に注意したいポイントは次の3つです。

  • みなし再入国の意思表示や再入国許可の取得を忘れないこと

     

  • 雇用契約が継続しているか、明文化された証拠を持つこと

     

  • 帰国中も支援機関・企業と連絡を取り続けること

「また戻って働けるはず」と思っていたのに、空港で入国拒否、そんな事態を防ぐには、“帰国前の段取り”がすべてです。

本人任せにせず、企業や支援機関も一体となって、再来日までを見据えたサポート体制を構築することが、制度運用の成功に直結します。

登録支援機関・受入企業の対応と責任

特定技能で働く外国人が一時帰国を希望する際、その可否や手続きの成否は、本人だけでなく「支援機関」や「受入企業」の対応に大きく左右されます。

 

制度上も、登録支援機関には「出入国に関する支援」、企業には「雇用継続に関する説明責任」などが明記されており、帰国をめぐるトラブルの多くは、こうした対応ミスや不明確な運用から発生しています。

 

この章では、企業や支援機関が一時帰国に際して行うべき基本対応、支援範囲の明確化、そして再入国トラブルを防ぐための具体的なチェックポイントを解説します。

 

外国人本人と企業・機関の信頼関係を保ち、制度を円滑に運用するための基盤作りにもつながります。

一時帰国時に企業が行うべき手続き

受入企業が特定技能外国人の一時帰国に際して行うべき手続きは、法令上は細かく明記されていないものの、実務上重要な役割を担います。

以下の対応を適切に行うことで、再入国時のトラブルや誤解を回避できます。

必須とされる対応例

  • 雇用契約の継続確認と明文化
    → 一時帰国後も雇用が継続する場合、その内容を契約書や在職証明書として発行しておくことが推奨されます。

     

  • 帰国・再入国予定日の共有
    人事部・現場担当者間でスケジュールを共有し、復職タイミングの調整を行うことが重要です。

     

  • 在留カードの期限確認と更新対応(必要時)
    → 帰国前に在留カードの期限が90日以内に切れる場合は更新手続きを促すことが望まれます。

     

  • 出国・再入国手続きの案内
    → 空港で必要な再入国の申請方法や、再入国後の流れを事前に説明することが求められます。

一見すると形式的な作業ですが、これらを怠ると「再入国時に必要な証明がない」「企業の再雇用意思が不明」とされ、結果的に入国拒否につながる事例も起きています。

支援責任の範囲とトラブル防止策

登録支援機関は、「出入国支援」を含む10項目の支援義務を担っています。

その中で、一時帰国に関連する主な支援内容は以下のとおりです。

一時帰国に関連する支援義務

  • 出国前のオリエンテーションの実施(みなし再入国制度の説明、書類案内など)

     

  • 空港までの同行または交通手段の案内支援

     

  • 再入国後の生活・就労支援再開準備

ただし、実務上のトラブルが起きやすいのは「義務の範囲の線引き」が曖昧な場合です。

たとえば以下のようなケースが多く報告されています。

  • 支援機関が「空港送迎は本人負担」と言い、誰も同行せずに本人が迷子になる

     

  • 出国予定日を把握しておらず、再入国日も知らされていないため復職準備が遅れる

     

  • 帰国前に支援を打ち切ってしまい、再来日時の支援を拒否

これを防ぐには、以下のようなトラブル予防策が有効です。

  • 支援内容・支援範囲を事前に文書で明確化する(支援計画書への明記)

     

  • 本人と企業・支援機関で、帰国・再入国までの対応フローを共有する

     

  • 再入国確認後のフォロー日程(迎えや復職支援)もあらかじめ調整する

特定技能制度は「支援型」の制度設計であり、本人任せにせず、支援機関・企業が責任を持って動くことが前提です。

帰国中も支援対象となるのか?

登録支援機関や企業がよく悩むのが、「一時帰国中の本人は支援の対象になるのか?」という問題です。

結論から言えば、雇用契約が継続し、在留資格が有効である限りは“支援対象”となります。

つまり、帰国していても「再来日する予定が明確である場合」は、以下のような支援を提供することが望まれます。

帰国中にも必要な支援例

  • 再入国に向けた書類作成サポート(契約書・在籍証明など)

     

  • 出国前後の連絡維持・メッセージ対応

     

  • 日本帰国時の空港対応や生活支援再開の準備

一方で、以下のような場合には支援義務の対象外となる可能性があります。

  • 雇用契約が終了し、再入国の予定がない(完全帰国)

     

  • 契約終了を理由に帰国した後、新たな在留資格を申請予定である(切り替え中)

制度的な支援義務は「契約の継続性」と「在留資格の有効性」に基づいて判断されるため、帰国前に“いつまで、どこまで支援対象か”を本人に明確に伝えることが重要です。

▽一時帰国を「個人の判断」にしない体制づくりを

一時帰国は、制度的に認められている権利であると同時に、在留資格や雇用契約、支援体制と密接に関わる行為でもあります。
そのため、企業や支援機関が「本人任せ」にするのではなく、制度に則った具体的な支援体制を整えることが求められます。

特に重視すべきポイントは以下の3点です。

  • 雇用契約の継続・明文化と、スケジュール管理の徹底

     

  • 支援範囲の明確化と、関係者間での情報共有

     

  • 帰国中も支援対象とする前提で、継続的なコミュニケーションを取ること

一時帰国は「戻ってくる前提の帰国」です。
だからこそ、戻ってくるための準備を、送り出す側が最後まで支えることが本当の支援につながります。

将来の永住や在留資格変更への影響はあるのか?

特定技能として日本で働き始めた外国人の中には、「将来的に永住したい」「もっと上位の在留資格にステップアップしたい」という希望を持つ人も少なくありません。

 

しかしその一方で、「一時帰国をすると在留年数がリセットされるのでは?」「更新時期に日本にいないとまずいのでは?」といった長期的な在留に対する不安や誤解も多く見受けられます。

 

このセクションでは、一時帰国が永住申請や在留資格更新・変更に与える影響を明確に整理し、長く安心して働き続けるための視点と対策を提供します。

一時帰国が在留歴・更新に与える影響

まず結論から言えば、制度に則った一時帰国は、基本的に永住申請や在留資格変更における「在留歴」に悪影響を与えることはありません。

日本での永住資格の申請要件には、通常「引き続き10年以上日本に在留していること(就労ビザは5年以上)」といった条件があります。

ここでの「引き続き」とは、一時的な帰国や出張などを除いた“生活の基盤”の継続性が求められるものであり、以下のような条件での一時帰国は問題になりません。

  • みなし再入国許可または再入国許可を取得して出国している

     

  • 在留カードが有効であり、期間内に再入国している

     

  • 就労契約が継続している状態である

一方で、以下のような帰国は、在留歴に“空白”や“断絶”が生まれたと判断されるリスクがあります。

  • 再入国許可なしに出国し、そのまま再来日しなかった

     

  • 90日以上の帰国を複数回繰り返している

     

  • 帰国中に雇用契約が解除され、在留資格の実態がない状態となっていた

将来的に永住や高度人材ビザなどの申請を視野に入れている場合は、「継続的に日本で生活・就労している実績」が求められるため、一時帰国時の在留管理にも注意が必要です。

帰国中に更新時期が重なった場合の対処法

在留資格の更新期限は、原則として在留期限の3か月前から手続きが可能です。

そのため、帰国予定が更新時期と重なる場合には、出国前に更新手続きを済ませておくのが最も安全な方法です。

具体的な対応方法

  • 在留カードの有効期限内であれば、出国前に更新申請を行い、受取は帰国後に行うことが可能
    → 更新手続き中であれば、「更新中である旨を説明する書類」を携帯しておくことで、再入国時にも問題が起きにくくなります。

     

  • 出国前に更新が間に合わない場合(たとえば90日前を過ぎていない)
    → この場合は、在留期限内に帰国し、期限前に再入国して更新する必要があります。
    → 出国期間が短くても、帰国後に期限を超えてしまえば“不法残留”となるため、非常に危険です。

     

  • やむを得ず更新ができないまま帰国する場合は、事前に入国管理局に相談することで、特例的措置が認められることもあります。
    → たとえば、再入国時に「更新予定である」旨の証明書を提示することで、審査がスムーズになる場合があります。

ポイントは、更新時期と帰国期間が重なるかどうかを、3〜6か月前から逆算してスケジューリングすること。

受入企業や支援機関が、本人任せにせず一緒に期限管理を行う姿勢も重要です。

長期帰国が続いた場合の今後の在留方針

通常の一時帰国であれば、再入国後に日本での生活を継続することで在留資格に大きな問題はありません。

しかし、以下のような「長期帰国」が続いた場合は、在留資格の維持そのものが問われる可能性が高くなります。

長期帰国が影響を及ぼすケース。

  • 帰国が90日を超え、再入国許可も取得していない(制度違反)

     

  • 帰国中に在留カードが失効してしまった

     

  • 帰国の理由が不明確で、雇用契約も停止状態にある

     

  • 日本での生活実態が薄くなり、「生活の本拠地は国外」と判断される

このような場合は、たとえ形式的には在留資格が残っていても、次回更新時や在留資格変更申請時に「実態のない在留」として不許可になるリスクがあります。

長期帰国が不可避な理由(家族の介護・災害・戦争など)の場合は、あらかじめ出入国在留管理局へ理由書や証明書を提出しておくことが望ましいです。

また、企業や支援機関も「雇用継続の意思」を明文化しておくことで、資格の実体維持を証明しやすくなります。

▽一時帰国後も続く「在留実績」の積み重ねが将来につながる

一時帰国は在留資格制度の範囲内で認められていますが、その期間の過ごし方・準備・証明次第で、将来の永住や資格変更に影響を及ぼす可能性があります。

ポイントは、「制度を守ったうえでの在留継続性」が担保されているかどうかです。

特に注意したい3点

  • 一時帰国は在留歴に影響しないが、“不在期間の実態”は審査対象になり得る

     

  • 更新時期に重なる場合は、必ず事前申請や帰国スケジュール調整を行うこと

     

  • 長期帰国が続く場合は、理由と雇用継続を明文化・証明する準備が必要

「ただ帰って戻る」ではなく、帰国期間中も“日本での在留資格を意識した生活”を継続することが、未来の在留安定とキャリアのステップアップにつながります。

まとめ|一時帰国は自由ではない。「みなし再入国」で失敗しないための知識と準備を

特定技能の外国人にとって一時帰国は決して特別なものではありません。

 

しかし、「自由に帰って、また戻れる」と考えてしまうと、制度上の落とし穴にはまり、再来日できない事態に直面することもあります。

 

この記事では、一時帰国に関して以下のような重要ポイントを解説しました。

  • 一時帰国は制度上可能だが、在留資格の維持には事前の手続きが必要

     

  • みなし再入国制度は便利だが、意思表示や期間超過に注意が必要

     

  • 雇用契約の継続や再入国の意思を明文化しないと、入国拒否されるリスクがある

     

  • 支援機関・受入企業にも対応責任があり、出国・復職までを一体的に支える体制が求められる

     

  • 帰国が長期に及ぶ場合、将来の永住申請や在留資格変更に影響を及ぼす可能性もある

特に見落としがちなのが、「みなし再入国許可の申請を忘れて出国してしまう」「在留カードの期限を過ぎてから戻ろうとする」といった小さな手続きミスが、大きな結果を招くことです。

 

再入国を前提とする一時帰国であれば、企業・支援機関・本人の三者が連携し、制度に沿った対応をとることが何より重要です。

 

安心して帰国し、問題なく再来日するためにも、制度理解+事前準備+関係者との情報共有を今から始めましょう。

 

“一時帰国”を「一度きりの帰国」にしないために。 正しい知識が、あなたの在留と働く未来を守ります。

 

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