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11/28 (金)更新

【2025年最新】在留外国人統計|在留人数・国籍・資格別データから読み解く変化と要因

2025年、日本の外国人労働者・在留外国人の数は再び大きな節目を迎えています。

政府統計によると、2024年末および2025年時点での在留外国人数が過去最高水準を更新し、国籍・在留資格・在留地ともに明確な変化が見られています。

なぜこのような増加が起きているのか。

背景には、コロナ禍後の受け入れ再開・少子高齢化と労働力不足・政策の見直しと多様化した在留資格など、複数の要因があります。

また、企業の採用戦略・地方自治体の受け入れ体制・外国人材の国籍構成の変化といった具体的な流れも、データから読み取れます。

本記事では、

  • 最新の「在留外国人の数値と推移」データを国籍・在留資格・都道府県別に整理
  • 「在留外国人が増加している背景と要因」を多角的に分析
  • 「データから浮かび上がる外国人材の特徴と構成」を読み解き
  • 「在留外国人の増加が社会・企業・地域に与える影響」を考察
  • さらに「2025年以降の見通しと今後の動向」を展望

という流れで、統計データとその背景・活用方法を一体的に解説します。

外国人雇用・地域振興・国際人材活用を考えるすべての担当者に向けて、実務に直結する情報をお届けします。

まずは、最新の数値とその推移から確認していきましょう。

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在留外国人の最新数値と推移

外国人材の受け入れが進む中、2024年末から2025年にかけて在留外国人数が過去最高を更新しました。

日本の労働市場・教育・地域社会において、外国人の存在はますます重要な位置を占めています。

ここでは、最新データとその推移、国籍や資格、地域別の特徴を整理して見ていきます。

2024年末・2025年時点の在留外国人総数(最新データ)

2024年末時点の在留外国人数は約376万人で、前年より約35万人(+10%超)増加しています。

また、2024年6月時点でも358万人を超え、上昇傾向は継続しています。

過去5年間でおよそ80万人以上増加しており、近年の日本社会で最も急速に拡大している人口層の一つといえます。

年別/5年・10年での推移と増加率の分析

2015年には約220万人だった在留外国人が、2025年には370万人を超える見通しです。

この10年間でおよそ1.7倍に増加しており、特に2019年以降は特定技能制度の創設や在留資格の拡大により、増加率が加速しました。

労働力不足を背景に、企業側の受け入れ意欲も高まり、外国人材はすでに多くの業界で不可欠な存在になりつつあります。

国籍・地域別の在留外国人数

国籍別では、中国が最も多く約87万人、次いでベトナムが約63万人、韓国が約40万人となっています。

また、ネパールやミャンマーといった南アジア諸国からの在留者も急増しており、構成が年々多国籍化しています。

東南アジア地域が日本の主要な人材供給源となっており、今後はさらに多様な国からの受け入れが進むと考えられます。

在留資格別(特定技能・技能実習・留学など)の構成

在留資格では、就労関連資格の割合が顕著に増加しています。

特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人は70万人を超え、前年比2割増。

技能実習」も約47万人と引き続き高水準で、近年伸び率が高い「特定技能」では前年から約18%増という結果が出ています。

これらの数値から、日本経済の中で実務型外国人材の需要が拡大していることが読み取れます。

都道府県別の在留外国人分布と変化

地域別に見ると、東京都が約70万人で全国の約2割を占め、最多となっています。

次いで愛知・大阪・神奈川などの都市圏が上位ですが、近年は地方都市での受け入れ拡大も進んでいます。

製造業・農業・介護分野を中心に、地方自治体が積極的な受け入れ施策を展開していることが背景にあります。

まとめ|在留外国人の増加は「構造変化」の表れ

2025年時点での在留外国人統計は、日本社会の構造変化を如実に示しています。

単に人数が増えただけでなく、国籍・資格・地域分布が多様化しており、日本の産業・地域活性化を支える存在としての役割が一層拡大しています。

次に、なぜこれほど急速に増えているのか、その背景と要因を詳しく見ていきましょう。

在留外国人が増加している背景と要因

在留外国人が増加しているのは、偶然ではありません。

経済的・社会的・政策的な要因が複雑に絡み合い、日本の構造的な課題に対する解決策の一つとして外国人材が注目されています。

コロナ禍後の受け入れ再開と需要回復

パンデミック期に停滞していた入国・就労が、2023年以降急速に回復。

観光・外食・製造・物流など、外国人材への依存度が高い業種で採用需要が一気に戻ったことが大きな要因です。

出入国制限が解除されたことで、留学生や技能実習生の来日も再開し、数値を押し上げています。

少子高齢化・労働力不足の深刻化

日本は今、労働力人口の減少が加速する社会にあります。

とくに建設、介護、製造、宿泊業などでは人手不足が慢性化しており、国内人材ではまかないきれません。

こうした背景から、外国人材が「労働市場の補完的存在」から「必要不可欠な担い手」へと変化しています。

政府による受け入れ政策の緩和(特定技能・高度人材)

2019年に導入された特定技能制度をはじめ、政府は受け入れ枠の拡大・制度改正を継続しています。

さらに、専門職を対象とする高度専門職制度の緩和や在留期間の延長など、より長期的な定住を可能にする方向に政策がシフトしています。

これにより、企業側も安心して外国人を採用・登用できる環境が整いつつあります。

留学生・技能実習生の増加傾向

教育分野でも留学生の受け入れが拡大し、「学ぶ」から「働く」への移行が進んでいます。

留学生が卒業後に特定技能や就労ビザへ切り替えるケースも多く、学業と就労がシームレスにつながる流れが形成されています。

技能実習制度についても、特定技能への移行がスムーズになったことで定着率が上昇しています。

首都圏以外の地方都市での在留外国人増加

地方でも外国人材が増加しており、人口減少対策としての受け入れが進んでいます。

自治体が外国人支援センターや生活相談窓口を設けるなど、地域ぐるみの多文化共生モデルを構築しているケースも増えています。

これにより、地方都市での雇用・定住が現実的な選択肢となりつつあります。

まとめ|外国人増加は”日本再構築”の兆し

在留外国人の増加は、単なる数字の上昇ではなく、日本社会の構造的転換を映す現象です。

コロナ後の経済回復と労働需要の増加、政策緩和、教育・地方施策など、複数の要因が連動しています。

今後もこの流れは続き、外国人材の受け入れは日本の成長戦略の中核を担うテーマとなるでしょう。

データから見る在留外国人の特徴と構成

2025年の在留外国人統計を細かく見ると、「どの資格が伸びているのか」「どの国の人が増えているのか」という特徴が明確に浮かび上がります。

特定技能制度の拡大や留学生の増加など、政策や経済情勢の変化が数値に直結しており、外国人材の構成もここ数年で大きく変化しました。

この章では、データをもとに在留資格・国籍・地域の特徴を整理します。

主要在留資格の増加率ランキング

2024年から2025年にかけて最も増加したのは、「特定技能」および「技術・人文知識・国際業務」の2つの在留資格です。

  • 特定技能は前年から約18%増。

飲食・製造・介護分野を中心に採用が急拡大しています。

  • 技術・人文知識・国際業務は約20%増で、ホワイトカラー職への外国人登用が進行。

  • 技能実習は横ばいですが、特定技能への移行者が増加しており、構造転換が進んでいます。

  • 留学も増加傾向で、学びから就労へのキャリア移行ルートが確立されつつあります。

これらの傾向は、「短期就労」から「定着・専門化」へのシフトを示しています。

上位国籍別(中国・ベトナム・ネパールなど)の傾向

国籍別に見ると、依然としてアジア諸国が圧倒的多数を占めます。

上位構成は以下のとおりです。

  • 中国:約87万人(留学生・専門職が多い)
  • ベトナム:約63万人(技能実習・特定技能が主)
  • 韓国:約40万人(永住・定住が中心)
  • ネパール:約17万人(留学生・飲食・宿泊分野で急増)
  • フィリピン:約14万人(介護・医療分野の進出が目立つ)

特にネパール・ミャンマー・インドネシアといった新興アジア諸国の伸び率が顕著で、今後の労働力供給国として注目されています。

アジア諸国からの人材流入の拡大

外国人労働力の中心は、もはや「特定の国」ではなく、アジア全体からの多層的な流入構造へと変わりつつあります。

近年は「経済連携協定(EPA)」による介護人材の受け入れや、政府間協定を通じた技能実習・特定技能の枠拡大も後押ししています。

さらに、アジア諸国では日本語教育や職業訓練を現地で実施する動きが広がり、日本就労を前提とした育成型人材送り出しが進んでいます。

このように、日本とアジアは「人材循環圏」として結びつきを強めており、外国人雇用が日本経済の一部として定着しつつあります。

まとめ|外国人材の構成は”量”から”質”の時代へ

在留外国人の構成を見ると、かつての「一部業種への集中」から脱却し、多分野・多国籍化が進む成熟段階に入っています。

特に、専門職・高度人材・留学生の比率が上昇しており、今後は量よりも質を重視した受け入れ政策・採用戦略が求められます。

企業にとっては「どの国・どの資格から採用すべきか」を見極めることが、外国人活用の成否を左右する時代です。

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在留外国人の増加がもたらす影響

在留外国人の増加は、単なる労働力の補完にとどまらず、経済構造・企業文化・地域社会の在り方にも大きな変化をもたらしています。

ここでは、労働市場・企業戦略・地域社会という3つの観点から、その影響を見ていきましょう。

労働市場における外国人材の存在感

外国人材は、すでに日本の労働力人口の約6%を占めるまでに拡大しています。

製造・物流・介護・外食などの現場では、外国人がいなければ事業が成り立たないケースも増えています。

一方で、ホワイトカラー職やIT・設計・マーケティングなどの高度専門職にも採用が広がっており、外国人材の職域は明確に上方シフトしています。

今後は「人手不足解消」から「組織の国際化」へと外国人雇用の目的が変わっていくでしょう。

企業の採用・受け入れ戦略の変化

企業の動きにも変化が見られます。

これまでの「短期雇用」や「即戦力補充型」から、長期育成・キャリア形成を前提とした採用へと転換が進んでいます。

  • 特定技能から正社員登用を行う企業が増加
  • 社内公用語の英語化や多言語マニュアル整備
  • 異文化マネジメント研修の導入

これらの取り組みは、外国人雇用を”経営戦略の一部”として組み込む流れを示しています。

地域社会・行政が直面する課題と対応

地域レベルでも変化が顕著です。

外国人住民の増加により、教育・医療・生活支援体制の整備が急務となっています。

行政では、通訳・相談窓口・日本語教育支援を拡充する動きが進んでおり、企業・自治体・NPOが連携して多文化共生を推進しています。

しかし、地域によって対応力に差があるため、今後は地方自治体間の情報共有や成功事例の横展開が重要になるでしょう。

まとめ|外国人増加は”社会の新しい常態”

外国人の増加は、もはや一時的な現象ではなく、日本社会の新しいスタンダードとなりつつあります。

労働市場では多様化が進み、企業は人材の国際化を前提とした経営へ。

地域では共生社会の実現が不可欠になっています。

これからの日本に求められるのは、外国人を受け入れる社会から、共に成長する社会への転換です。

2025年以降の見通しと今後の動向

2025年を境に、日本の外国人受け入れ政策と労働環境はさらに転換点を迎えようとしています。

在留外国人の数は過去最高を更新し続けており、この傾向が今後5年、10年でどのように進むのかは、企業・自治体双方にとって極めて重要なテーマです。

ここでは、2030年に向けた増加予測、多文化共生をめぐる政策の方向性、そして企業が取るべき戦略について整理します。

2030年に向けた在留外国人の増加予測

現在のペースで増加が続いた場合、2030年には在留外国人が450万人を超える可能性があります。

政府統計でも2015年から2025年の10年間で1.7倍に拡大しており、同等の伸び率を維持すれば、2030年時点で日本の人口の約4%が外国人という計算になります。

この増加を支える主な要因は以下の通りです。

  • 労働力不足の長期化による外国人雇用ニーズの継続
  • 特定技能・高度専門職など就労資格の柔軟化
  • 教育・地域施策の充実による定住志向の高まり

一方で、急増による行政・社会インフラへの負担も懸念されています。

したがって、「受け入れ量」ではなく「受け入れ質」を問われる時代に突入しているといえます。

政府・自治体が進める多文化共生施策

2030年に向け、国と地方自治体は「多文化共生社会の実現」を明確な政策目標として掲げています。

具体的には、以下のような取り組みが全国で進行中です。

  • 地域日本語教育の拡充:生活・就労両面で外国人が地域社会に溶け込める環境づくり。

  • 行政サービスの多言語化:申請書類・医療案内・災害情報などを多言語で提供。

  • 生活支援・相談体制の整備:外国人住民が孤立せず、問題を早期解決できる仕組み。

  • 子ども・教育支援:外国籍児童の不就学防止、日本語指導員の増員。

これらの施策は、単なる「支援」ではなく、地域に根ざした共生・共働の基盤づくりを目的としています。

特に、労働力としてだけでなく地域の一員として外国人を受け入れる姿勢が今後の成功を左右します。

企業がとるべきデータ活用と採用戦略

企業にとって、外国人雇用は今後の競争力と組織の持続性を左右する経営課題です。

人手不足の補填にとどまらず、外国人材を戦略的に採用・育成・定着させるためには、「データに基づく経営判断」が欠かせません。

外国人採用で活用すべきデータ例

  • 国籍・在留資格別の伸び率データ:自社の業界でどの層が活躍できるかを分析。

  • 地域別雇用分布データ:採用候補者が多い地域・学校・送り出し機関を把握。

  • 資格更新・在留期限データ:退職リスクを見越した人材マネジメント計画を立案。

これらを活用することで、単なる「人手確保」から「人材戦略」へと採用の質を高められます。

また、外国人社員のキャリアパス設計や社内研修制度の整備も、長期的な雇用安定に直結します。

まとめ|データに基づく共生と成長が鍵となる時代へ

2030年に向けて、日本の在留外国人は量から質、そして共生へと軸足を移していくでしょう。

政府は制度の枠を広げ、自治体は受け入れ環境を整備し、企業はデータを活用した戦略的採用へと舵を切っています。

今後の課題は「外国人を雇う」ことではなく、共に働き、共に地域を支える仕組みをどう構築するかです。

この変化をチャンスと捉え、企業・行政・地域社会が一体となって多文化共生を推進できるかが、日本の未来の持続的成長を左右する分岐点となるでしょう。

まとめ|在留外国人統計2025が示す日本社会の新しい構造変化

2025年の在留外国人統計は、日本社会が大きく変わりつつある現実を映し出しています。

外国人の在留総数は過去最多を更新し、国籍・在留資格・地域構成のすべてにおいて多様化が進行。

その背景には、コロナ禍後の経済回復、深刻な労働力不足、そして政府の受け入れ政策緩和という3つの大きな要因があります。

特に、「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」などの就労系資格の増加が顕著であり、外国人はもはや「一時的な労働者」ではなく、日本経済を支える持続的な戦力として位置づけられています。

また、地方でも定住・就労が進み、在留外国人の存在は都市部だけでなく全国的な社会基盤の一部となりつつあります。

企業や自治体に求められるのは、単なる受け入れ対応ではなく、「共に働き・共に暮らす」多文化共生型の社会構築です。

  • 企業はデータを活用し、外国人材の採用・定着・キャリア支援を一体化した戦略を描くこと。

  • 自治体は生活・教育・行政支援を充実させ、地域ぐるみでの共生モデルを育てること。

  • 政府は長期定住・家族帯同を見据えた制度整備を進めること。

この3つの視点が連携することで、日本は真の意味で国際社会に開かれた成熟国家へと進化します。

2030年には在留外国人が450万人を超えると予測される今、私たちは「外国人を雇う時代」から「外国人と共に未来を創る時代」へと歩みを進めています。

その変化を恐れるのではなく、多様性を力に変える戦略こそが、日本社会の新しい成長エンジンとなるのです。

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