07/16 (金)更新
外国人の人材を面接する時の採用担当者の注意点
近年外国人労働者を採用をする企業が年々増加の傾向にあります。
ただ言葉や文化が異なる外国人の採用面接では何を質問すればいいのか分からないと、不安に思う採用担当者の方も多いのではないでしょうか?
外国人の雇用は労働力不足を解消するために必須となりつつありますが、採用のミスマッチによって退職者が多いのも事実です。
今後さらに増えていく外国人採用・雇用に対応するため、企業側も外国人にとって魅力的で認識の相違がない企業になっていく必要があります。
そこで今回は外国人の方と面接する際の注意点を解説していきます。
採用担当者の方はこの記事を参考にして、会社の成長と発展を担える外国人材を確保してください。
外国人を面接する際の事前の注意点
大前提として外国人と面接する際も日本人と同じように面接を進める事が重要になります。
ただどうしても国籍が違う人を採用するので事前に気を付けておかなければならない事もあります。
国籍の違いを受け入れる
外国人の面接する中で最も大きい壁は「言語」の違いです。
『日本語が話せないから採用しない』『日本語が話せないから面接をしない』というようにしてしまうとせっかくの優秀な人を採用するチャンスを逃してしまいます。
日本語の訓練は就業を開始してからでも、十分に学ぶ事が出来ます。
なので事前に言語の壁がある事をしっかりと理解して、技術や人柄に目を向けて採用しましょう。
また明確な理由なしに、国籍で外国人を判断して「採用」「不採用」を決めてはなりません。
日本で働く外国人には日本の労働法が適用されることになります。
特定の国籍を理由として不採用とすることは「差別的取り扱い」に当たり、法律で禁じられているので注意しましょう。
外国人からの質問には明確に応える
外国人にも個人差がありますが、面接で外国人からの質問にあいまいに応えると、ミスマッチが生じやすくなります。
例えば外国人から「仕事の範囲」「残業の有無」「昇進・昇給」などを訊かれたときは、回答を明確にしておかなければ、採用後に「話が違う」という理由で早期退職するケースが少なくありません。
外国人の労働者達は、日本人と異なり何でもストレートに意見をいいますし、わざわざ母国を離れて日本に働きに来ているので「残業の有無」や「昇給・昇進」に関しては特にシビアです。
質問を受けたときは、はぐらかさずに明確に応対するのが外国人採用を成功させるコツの一つです。
面接前に確認しておくもの
企業が日本人を採用する際に事前に確認しているのは「履歴書」と「職務経歴書」ぐらいだと思います。
ただ外国人労働者を面接する際には、必ず本人が確認できる証明書や現在どのような資格で日本に滞在をしているかを確認してください。
万が一にも、日本で就業する資格のない不法就労者を雇ってしまうと、企業は不法就労助長罪に問われる可能性があり、営業停止や最悪の場合、逮捕や罰金という罰則を受けてしまう場合があります。
そうならない為にも事前に5つの書類を確認しておきましょう。
・外国人登録証明書
・パスポート
・就労資格証明書
・在留カード
・履歴書や日本語能力試験の結果等
この5つは、実際に採用をするとなった際に、不法就労者かどうかを見極められる資料です。
これらを基に、日本で仕事ができるかどうかやいつまで日本に滞在できるかどうかなど、本人確認ができます。
これらは面接前に事前に用意しておく書類として、自社で外国人の採用活動を行う場合には採用サイトに明記しておきましょう。
「人材紹介会社」「監理団体」「登録支援期間」を通して採用を行う場合には、外国人に事前に準備させて面接をセッティングする所がほとんどなので、漏れなく安心して面接を進めていけます。
外国人との面接前の注意点
外国人と面接を行う際には、いくつか事前に気を付けておくべき点があるので採用担当者は事前に注意して面接をしましょう。
面接の日時は早めに区切りる
外国人の労働者から募集があった場合には、募集日から面接までの日程を早めに設定し、連絡しましょう。
募集から面接までの日時を早めに設定する事で、企業の好感度も上がり、面接をキャンセルする率も少なくなります。
不安点がある場合は面接前に確認する
応募時点の書類選考時点で不安点のある場合は、面接前に事前に確認しておく事をお勧めします。
まず面接前に必ず外国人の募集した人材が『法律上就労可能なのか』を確認しておく必要があります。
これを確認せずに、就労出来ない在留資格の外国人を雇用してしまったり、在留資格外の業務を任せてしまったりした場合は、雇用された外国人だけではなく企業側も「不法就労助長罪」という罪に問われる可能性があるので注意する必要があります。
在留資格や在留カードに少しでも疑問がある場合は、面接前に事前に確認することをおすすめします。
また保有資格や学歴、職歴はマッチしているか、採用条件に適した語学能力があるかどうかなどに疑問がある場合にも事前に質問しておきましょう。
どちらも面接前に事前に確認しておくと無駄な手間が省けます。
募集人員は採用人員よりも多めに集める
求職者は複数の企業に同時に応募している可能性が高いので、企業側は採用人数の2倍以上の面接を設定しましょう。
また外国人の人材は、日本人と異なり、連絡なく面接に来ない場合や、当日にキャンセルすることも多くあります。
なのでこのような不足の自体に対応出来るように、募集人員を多めに設定して採用活動を進めていきましょう。
こういった不足の自体を避ける為に、応募者に対しては丁寧に対応したり、前日に最終確認をするなどして、直前のキャンセルを防ぐ対策を行いましょう。
日本人の採用時にもありえる事ですが、内定を出した後に内定辞退なども考えられますので、多くの求職者を選考しましょう。
WEB面接と対面面接の違い
最近ではコロナ禍の影響により、国内外の人材の採用に問わず「web面接」が主流となっています。
特に外国人の採用に関しては、海外から面接を行う事が非常に多いので、採用をこれから進めていく企業はweb面接の準備をしておきましょう。
もしかしたらweb面接に抵抗がある企業様も多いかもしれないので、web面接のメリットも説明していきます。
面接にかかるコストが圧倒的に低い
海外とのWEB面接は渡航費、ホテルの滞在費、面接会場の賃料などが一切かかりません。
多忙な立場の面接担当者(採用担当者や企業トップなど)が採用のために数日間を費やして海外出張をする必要もないため、コスト削減という意味では圧倒的に有利といえます。
またweb面接に使用するツールも無料でダウンロード出来るツールを使用する事が一般的なので、費用の発生の心配がありません。
主に面接で使用されている主なツールは「ZOOM」「Skype」「Google Meets」です。
いずれも無料ですぐにダウンロード出来るので、ご利用してみてください。
海外の候補者も渡航しないで面接できる
海外の候補者を面接しなくてはならない場合、かつては採用担当者が現地へ渡航するか、候補者に日本に渡航してもらうことが一般的でした。
しかしWEB面接が一般的になってきたことにより、採用担当者は企業から、候補者は自宅や学校から面接を行うことが可能となりました。
外国人の面接時の注意点
外国人を採用する面接の流れとしては、日本人を採用する際と全く同じで、大きく分けて「1,挨拶、2,質問、3,逆質問」の3つのフローに分けられます。
流れは同じですが、中身は日本人の採用と比べて少し異なる部分がありますので解説していきます。
挨拶時のアイスブレイク
外国人の採用の場合はどうしてもweb面接になる事が非常に多いです。
入退室を伴う対面面接に比べると、同じ面接時間内でも本題に入るまでの時間がぐっと短くなります。
ただでさえ母国と違う企業の面接で緊張している中で、いきなり本題に入ってしまうのは非常に酷なので、緊張をほぐすためのちょっとした会話に工夫が必要です。
アイスブレイクを行い、少しフレンドリーな雰囲気を出すなど、海外の候補者が画面越しに感じる距離感を縮めてから質問に入るようにしてください。
外国人労働者への質問
外国人の労働者達はしっかりとした決意を持って日本に働きに来ています。
そうした外国人達の思いをしっかりと聞き出して、自社の求める像に合うのかの確認をしましょう。
来日の理由に関する質問
どのような目的で来日したかに関する質問では、日本で働く意気込みを確かめることができます。
例えば『日本のアニメ・ドラマが好きだから』『日本の食べ物が好きだから』『日本の文化が好きだから』などの理由は日本社会に馴染むうえでは好ましいですが、日本で働きたいという熱意を感じ取ることはできません。
母国を離れて遠い国の日本で働こうとするには相応の理由が必要です。
賃金の良さや家族を養うためといったケースも多いですが、どのような理由であっても日本で本気で働く覚悟がある外国人は、来日理由に関して納得できる答えを持っています。
学歴や人柄に関する質問
日本人の採用時と同じように、外国人の学歴・職歴を把握するとともに、人柄や過去の素行に問題がないかをチェックすることも大切です。
特に滞在中の外国人に対しては『在留資格に沿った活動をしているか』『犯罪行為に関わっていないか』を確認することは採用後のトラブルを避けるために重要です。
また言葉や文化が全く異なる国で生活・就労するわけですから、日本で働くだけの精神的な強さ・タフさがあるかを質問で確認することは、早期離職を避けるために必要です。
志望動機・希望職種・諸条件に関する質問
数ある企業の中でも、自社を選んだ理由を訊くことは「職務内容に対する理解度」「協調性」「向上心」を確認することができます。
日本で働ければどんな会社でもいいと考えている外国人の場合、このような質問に対する回答はぼやけたものになります。
長く働いてもらうためには、会社の方針や目標、採用予定後の業務内容を細く伝え、意見をすり合わせることが大切です。
希望職種に関する質問では『どのような仕事ができるのか・したいのか』『仕事を通じて成し遂げたいことは何か』を確認し、本人の能力・資質と与える職種とのミスマッチを避けましょう。
外国人からの逆質問
外国人から企業に対して質問をする場合、質問のほとんどが「就業条件」や「会社雰囲気」に関してです。
外国人から質問があった場合は、包み隠す事なく正直に答えましょう。
昇進や給与に対する質問
外国人の労働者達は日本人よりも、昇進や給与に対してシビアに動きます。
当初に外国人に話していたキャリアアップフローと異なったり、中々昇給しないとなると、後々揉めてしまう可能性が大いに出てきます。
なので質問された場合には明確な昇進や昇給の基準を説明し、トラブルにならないように気を付けましょう。
残業や仕事の割り振りについて
日本人と異なり、外国では「残業」という制度にあまり馴染みがありません。
外国人の多くはワークライフバランスを重視するので、プライベートと仕事を完全に分けて考えます。
働き出してから認識相違の起きないように、事前に「残業」や「仕事の振り分け」について伝えておきましょう。
どれくらいの残業時間が平均としてあり、どの月が忙しいのかなどを伝えるのが良いでしょう。
また実際に働いているときには、残業や仕事を頼む際にどれくらいまでに終わらせるのかなど期限を設け、的確に伝えましょう。
会社の雰囲気について
いくら給与や福利厚生が充実していても、日本人と同じ様に外国人も社内の雰囲気が悪い場所では働きたくないのは当たり前です。
外国人から社内雰囲気や制度について質問のあった場合には、『どうして欲しいのか』『どうすれば希望に沿えるのか』を話し合い、歩み寄る事が重要です。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は採用担当が知っておくべき外国人の採用のフローいついて説明致しました。
優秀な人材を確保して、会社を発展させる為には、外国人である事を考慮して、ミスマッチが起きないように詳しく説明し、歩み寄る事が重要です。
ただどうしても初めての体験で不慣れな部分はあるかと思います。
SELECTでは、外国人の採用サポートから、内定後のサポートまで行っていますのでお気軽にお問合せ下さい。
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