外国人雇用についてまるっと解説外国人雇用のための情報サイト

11/28 (金)更新

外国人雇用状況届出書の書き方|提出期限・記入例・e-Gov申請方法を図解

外国人を雇用する企業にとって、「外国人雇用状況届出書」の提出は避けて通れない法的義務です。

厚生労働省が定めるこの届出制度は、外国人労働者の適正な雇用管理や不法就労防止を目的としており、提出を怠ると企業側に罰則や指導が及ぶリスクもあります。

実際には、「どのような外国人が届出の対象になるのか」「ハローワークへの提出とオンライン申請はどう違うのか」「記載内容の注意点や罰則は?」といった疑問を抱く担当者も少なくありません。

本記事では、外国人雇用状況届出書の基礎知識から提出方法・書き方・罰則・注意点までを体系的に解説します。

さらに、最新の電子届出システム(e-Gov)を活用した効率化の方法や、外国人雇用管理の今後の方向性についても紹介。

人事・労務担当者が「何を・いつ・どこへ・どのように」対応すべきかを、具体的な事例を交えながらわかりやすく説明します。

適切な届出を行うことは、単なる義務対応にとどまらず、企業の信頼性・コンプライアンス意識を高める重要なステップです。

まずは制度の全体像を正しく理解し、スムーズな実務対応を進めていきましょう。

 

外国人採用・マッチングのご相談はこちらから

外国人雇用状況届出書とは

外国人雇用状況届出書とは、外国人労働者を雇用・離職させる際に、企業がハローワークへ届け出なければならない法定書類のことです。

この制度は、外国人の就労状況を国が正確に把握し、不法就労や雇用トラブルを防止するための重要な仕組みとして設けられています。

企業規模の大小を問わず、すべての事業主に届出義務が課せられている点が特徴です。

提出が義務化されている理由と法的根拠

外国人雇用状況届出書の提出義務は、「雇用対策法第28条」によって定められています。

この条文により、事業主は外国人労働者を雇い入れた場合・離職させた場合に、氏名・在留資格・在留期間などをハローワークへ届け出ることが義務付けられています。

この制度の目的は主に以下の3点です。

  • 不法就労の防止:在留資格に反した就労を未然に防ぐ
  • 雇用管理の適正化:外国人労働者の在留・雇用状況を正確に把握
  • 政策立案の基礎資料:労働市場における外国人就労の実態を分析するための統計的データを確保

これらにより、行政が外国人雇用の実態を正確に把握し、健全な労働市場の維持に役立てているのです。

届出の対象となる外国人労働者とは

届出対象となるのは、日本で働くすべての外国人労働者です。

ただし、在留資格や立場によっては届出不要となるケースもあるため、以下の表で整理します。

区分届出が必要届出不要
技術・人文知識・国際業務/特定技能/技能実習など
永住者/定住者/日本人の配偶者等
特別永住者(在日韓国・朝鮮人など)
短期滞在(観光・出張目的など)

ポイント:

  • 特別永住者を除くすべての外国人が対象
  • アルバイトやパートも対象(在留資格が「留学」等の場合でも)
  • 雇用保険の有無に関係なく届出が必要

つまり、「正社員でないから」「短時間勤務だから」といった理由で免除されることはありません。

提出が必要となる雇用形態(正社員・パート・派遣など)

外国人雇用状況届出書は、雇用形態に関わらず提出義務があります。

主な対象雇用形態は次の通りです。

  • 正社員(無期雇用)
  • 契約社員・パート・アルバイト(有期雇用を含む)
  • 派遣労働者(派遣元企業が届出義務を負う)
  • 日雇い・短期契約労働者

特に注意すべきは、派遣労働者の届出責任が「派遣元」にある点です。

受入先(派遣先)が届け出ても法的には無効となるため、雇用契約を締結している事業者が責任を持って提出する必要があります。

届出を怠った場合の罰則と企業リスク

外国人雇用状況届出書の提出を怠ると、雇用対策法第38条に基づき「30万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。

また、法令遵守が求められる企業としての信用を損ね、行政指導・助成金の支給停止・入札資格の制限といった実務上のリスクにもつながります。

実際、外国人雇用を行う企業は以下の観点で注意が必要です。

  • 提出漏れ・記入ミスが多いと行政からの調査対象になる
  • 届出情報と実際の在留資格が異なる場合、不法就労助長罪に問われる可能性も
  • 雇用管理体制が不十分だと、監理団体・登録支援機関との契約継続にも悪影響

届出の正確性=企業のコンプライアンス水準といっても過言ではありません。

まとめ|届出義務は「企業の信頼」を守る第一歩

外国人雇用状況届出書は、単なる書類提出ではなく、企業の法令遵守姿勢を示す重要な手続きです。

届出対象者や罰則を正しく理解し、採用・離職時の両方で確実に対応できる体制を整えることが、トラブルを未然に防ぐ最善策といえるでしょう。

外国人雇用状況届出書の提出方法と期限

外国人雇用状況届出書は、ハローワークへの書面提出またはオンラインシステム(e-Gov)を通じた電子申請によって行います。

いずれの方法も法的効力は同じですが、申請件数が多い企業や複数拠点を持つ事業者には電子申請が推奨されます。

ここでは、提出先・期限・様式・手順を順に解説します。

提出先はハローワークかオンラインか(届出システムの利用)

提出先は、事業所を管轄するハローワークです。

ただし、厚生労働省が運営する「外国人雇用状況届出システム(e-Gov電子申請)」を利用すれば、オンラインで完結できます。

提出方法特徴メリット
ハローワーク持参・郵送紙の届出書を提出担当者のチェックを直接受けられる
e-Gov電子申請Web上で入力・送信24時間対応/複数拠点の一括管理が可能

オンライン提出の推奨理由

  • 書類の紛失リスクがない
  • データの再利用で記入負担を軽減
  • 届出履歴が自動的に保存される

特に、外国人雇用が多い企業や派遣業では、電子化による管理効率化が大きなメリットとなります。

提出期限:採用時・離職時のそれぞれのタイミング

届出の提出期限は、次のように定められています。

届出区分提出のタイミング根拠条文
採用時外国人を雇い入れた日の翌月10日まで雇用対策法第28条第1項
離職時外国人が離職した日の翌月10日まで雇用対策法第28条第2項

採用・離職のどちらか一方だけの届出では不十分です。

雇い入れ時と離職時の両方で届出を行うことが義務となっています。

提出様式とダウンロード先(最新フォーマット)

届出書の様式は、厚生労働省が公開している最新版を使用します。

以下のようなフォーマットで、A4縦1枚(雇入れ・離職兼用)が基本です。

  • 厚生労働省公式サイト内:「外国人雇用状況の届出様式」ページ
  • ファイル形式:Excel/PDFいずれも可
  • 内容項目:氏名・在留資格・在留期間・国籍・雇用保険番号など

最新版の様式を使用しないと受付されない場合があるため注意が必要です。

フォーマットは年度ごとに細かい改訂が行われることもあります。

外国人雇用状況届出システム(e-Gov)の利用手順

e-Govでのオンライン届出は、以下の手順で行います。

  1. e-Govサイトにアクセス(https://www.e-gov.go.jp/)
  2. 「外国人雇用状況届出」を選択
  3. 事業所情報・雇用保険番号を入力
  4. 外国人労働者の氏名・在留資格などを入力
  5. 電子署名またはID認証を行い送信
  6. 受付完了メールを受領し、控えを保存

電子申請のポイント

  • 一度登録した事業所情報は次回以降も自動入力される
  • 雇入れ・離職の両方を同一画面から操作可能
  • 提出履歴が残るため、監査対応にも便利

紙の提出と比べて手間やミスを大幅に削減でき、外国人雇用管理の効率化が実現します。

まとめ|期限・様式・手段を正しく理解し、確実に届出を

外国人雇用状況届出書は、「採用時」と「離職時」双方で必ず提出が必要な書類です。

ハローワーク提出でも問題はありませんが、e-Govを活用すれば業務負担を軽減し、ミスのない正確な届出が可能になります。

提出期限・最新様式・入力内容を確実に把握し、法令遵守と効率的な雇用管理を両立することが、企業の信頼性を高める最短ルートです。

外国人雇用状況届出書の記載方法と実務ポイント

外国人雇用状況届出書を提出する際は、在留資格や雇用保険の有無など、外国人労働者の情報を正確に記入することが重要です。

特に、入力内容の誤りや空欄があると、ハローワークで差し戻しになるケースも少なくありません。

ここでは、雇用保険加入の有無による書き方の違いから、在留カード情報欄の注意点、よくある記入ミスまでを解説します。

雇用保険被保険者となる場合の記入方法

外国人が週20時間以上勤務し、31日以上の雇用見込みがある場合は、雇用保険の被保険者となります。

この場合、届出書の「雇用保険被保険者番号」欄を必ず記入しましょう。

主な記入ポイントは以下の通りです。

  • 雇用保険被保険者番号:ハイフンを含めて正確に記入(例:12-345678-1)
  • 事業所番号:雇用保険適用事業所番号を必ず記載(13桁)
  • 雇入年月日:実際の初出勤日を記入(契約締結日ではない)
  • 氏名・生年月日・性別:在留カードと一致しているか要確認

注意点:雇用保険資格取得届を同時に提出する場合でも、外国人雇用状況届出書は別途提出が必要です。

両方を提出して初めて法令遵守となります。

雇用保険に加入しない場合(短時間勤務・学生など)の記入例

一方で、週20時間未満の勤務や短期雇用、留学生のアルバイトなどは雇用保険の対象外です。

この場合、雇用保険番号欄を空欄にし、雇用形態を「パート」や「アルバイト」などで明記します。

記入例

項目記入内容例
雇用保険番号(空欄)
雇用形態パートタイマー
在留資格留学
在留期間R5.10.1〜R6.10.1
就労区分資格外活動許可あり

ポイント:

  • 資格外活動許可の有無を在留カードで確認
  • 学生アルバイトでも雇用契約書を作成し、労働条件を明示
  • 在留資格に就労制限がある場合、1週間28時間以内の勤務か確認

これにより、誤った就労を防ぎ、不法就労助長罪のリスクを回避できます。

在留カード情報・在留資格欄の正しい記載ルール

在留カードに記載されている「在留資格」「在留期間」「番号」は、外国人雇用状況届出書にそのまま転記します。

この欄は非常に重要であり、誤記や省略は届出無効の原因になることもあります。

正しい記入のポイント

  • 在留資格は略さず正確に記入(例:✕「技・人・国」→〇「技術・人文知識・国際業務」)
  • 在留期間は年月日単位で記入(例:2025年5月10日まで)
  • 在留カード番号は英数字すべて正確に(例:AB123456789)
  • 在留カードの有効期限も併記しておくとベスト

また、永住者や定住者であっても「在留資格」欄への記載は必要です。

正確な転記が、企業と外国人双方のトラブル防止につながります。

よくある記入ミスと注意点

届出書で多く見られるミスは次の通りです。

  • 雇用保険番号・事業所番号の記入漏れ
  • 在留資格の略称記載(例:技人国など)
  • 離職日や雇用開始日の誤り(退職日と最終出勤日の混同)
  • 氏名の表記ゆれ(在留カードと違うアルファベット表記)

防止策としては、以下を徹底しましょう。

  • 在留カード・雇用契約書・住民票など、複数書類で照合
  • 離職届提出前に本人へ確認
  • e-Govシステム利用時は入力項目の自動チェック機能を活用

届出内容の不備を防ぎ、行政手続きの差し戻しリスクを大幅に減らせます。

まとめ|正確な記入が「適正雇用管理」の基盤となる

外国人雇用状況届出書は、外国人雇用の実態を示す公式文書です。

一つひとつの項目を正確に記入し、在留カードと整合性を保つことが、企業の信頼性と法令遵守の証明となります。

記入ルールを理解し、提出前のダブルチェック体制を整備することが重要です。

届出を行う際に注意すべきポイント

 

外国人雇用状況届出書の提出においては、「誰が」「いつ」「どの情報を」届け出るかを明確にすることが不可欠です。

届出を形式的に済ませるだけでは、行政からの指導や助成金停止といったリスクを招く恐れもあります。

ここでは、実務担当者が押さえておくべき届出時の4つの重要ポイントを解説します。

雇用主(派遣元・受入先)の届出責任を明確にする

外国人労働者を派遣で受け入れる場合、届出義務者は「派遣元事業主」です。

一方で、請負契約など直接雇用関係がある場合は、受入先企業が届出を行う必要があります。

雇用形態届出義務者
派遣労働者派遣元企業
請負・契約社員受入企業
派遣先企業(受入のみ)義務なし(情報共有は必要)

混同が起きやすい例:派遣社員を「派遣先」が届け出てしまうケース。

これは誤りであり、派遣元が提出しなければ法令違反となります。

在留資格・在留期間の確認を怠らない

届出時には必ず在留カードの原本を確認し、在留資格と在留期限を記録します。

特に、在留期間が近い場合は、更新申請の有無を本人に確認することが大切です。

チェック項目:

  • 在留資格が「就労可能」か
  • 在留期間の満了日を明記
  • 資格外活動許可の有無(留学生アルバイトなど)

これにより、不法就労助長のリスクを未然に防止し、コンプライアンス体制を強化できます。

雇用開始時だけでなく「離職時」にも届出が必要

届出の多くは「雇入れ時」に注目されがちですが、「離職時」も義務対象です。

外国人が退職・契約満了・帰国する際には、翌月10日までに離職届を提出する必要があります。

よくある誤解:「採用時だけ提出すれば良い」

これは誤りであり、離職時の届出を怠ると、行政指導や罰金(30万円以下)の対象になります。

採用・離職の双方で確実に届け出る二重チェック体制を整えることが重要です。

届出情報と在留カード内容の整合性チェック

届出情報(氏名・在留資格・期間など)は、在留カード・パスポート・雇用契約書と完全に一致しているか確認しましょう。

一点でも不一致があると、ハローワークで差し戻しや修正依頼が発生します。

確認すべき主な項目:

  • 在留資格名(略称ではなく正式表記)
  • 在留期間の年月日
  • 氏名のローマ字綴り
  • 在留カード番号

整合性チェックのコツ:

  • 入社時にスキャンしてデータ保存
  • 退職時も再度確認して更新状況を記録
  • e-Gov利用時は入力履歴を活用し、再利用ミスを防止

これにより、届出精度を高め、監査や調査にも即応できる体制を構築できます。

まとめ|「正確・迅速・整合性」の3要素が信頼を守る

外国人雇用状況届出書の提出では、正確性・迅速性・整合性が最も重要です。

誰が届出義務者なのかを明確にし、在留情報を常に最新に保つことで、行政対応の信頼度と企業のリスク管理力が向上します。

法令遵守を徹底し、安心して外国人材を受け入れられる職場環境づくりを進めましょう。

 

外国人採用・マッチングのご相談はこちらから

外国人を雇用する際に必要なその他の手続き

 

外国人を採用する際は、外国人雇用状況届出書の提出だけで完了ではありません。

日本人を雇用する場合と同様に、雇用契約書の締結・社会保険の加入・在留資格の確認など、法的手続きを適切に行うことが求められます。

これらを怠ると、後のトラブルや行政指導の原因になるため、採用前後で一貫した労務管理体制を構築することが重要です。

雇用契約書の締結と労働条件の明示

外国人を雇用する場合も、労働基準法第15条に基づき、雇用契約書(労働条件通知書)を交付する義務があります。

特に、言語の壁による誤解を防ぐため、日本語と英語など母語を併記する形式が望ましいとされています。

契約書で明示すべき主な項目:

  • 契約期間(有期・無期の別)
  • 就業場所・従事業務内容
  • 勤務時間・休日・休暇
  • 賃金額と支払い方法
  • 契約更新の有無と条件
  • 社会保険・雇用保険の適用有無

実務のポイント:

  • 内容を母国語または理解可能な言語で説明する
  • 就労制限のある在留資格者には労働時間制限(週28時間以内など)を明示
  • 署名・押印の際は契約当事者双方が同席し、内容を確認する

これにより、雇用条件の誤解やトラブルを未然に防止できます。

社会保険・労働保険の加入手続き

外国人労働者も、原則として日本人と同様に社会保険・労働保険への加入義務があります。

在留資格や国籍によって免除されることはなく、「就労しているかどうか」で判断されます。

保険の種類加入対象手続き先
健康保険・厚生年金週30時間以上勤務の雇用者年金事務所
雇用保険週20時間以上勤務・31日以上見込みハローワーク
労災保険すべての労働者が対象労基署または労働局経由

注意点:

  • 留学生アルバイトも条件を満たせば雇用保険加入が必要
  • 海外の社会保険加入状況にかかわらず、日本の制度を優先
  • 加入漏れがあると、行政指導や助成金停止の対象となる可能性あり

社会保険の適正加入は、企業の信頼性を高める重要な要素です。

在留資格確認・更新のサポート体制の整備

外国人雇用において、在留資格の管理と更新サポートは最も重要な業務の一つです。

在留資格の種類や期限を把握していないと、知らないうちに不法就労状態に陥るリスクがあります。

社内で整備すべき体制:

  • 入社時に在留カードの原本確認とコピー保管
  • 在留期限の3か月前に更新リマインドを自動通知する仕組みを導入
  • 変更申請中の就労可否を入管庁サイトで確認
  • 必要に応じて登録支援機関や行政書士と連携

外国人本人が安心して働ける環境を整え、企業側も法令遵守リスクを回避できます。

在留資格管理を「人事任せにせず、組織的に運用する」ことが今後の必須要件です。

まとめ|外国人雇用は「契約・保険・在留管理」の3本柱が基本

外国人雇用では、雇用契約書・社会保険・在留資格管理の3要素が欠かせません。

これらを適正に整備することで、外国人本人の安心感と企業の信頼性を同時に高めることができます。

単なる採用手続きではなく、継続的な雇用管理プロセスとしての体制構築を意識しましょう。

外国人雇用状況届出書を電子化・効率化する方法

外国人雇用に関する手続きは年々増加しており、紙での管理や手入力ではミスや作業負担が大きくなりがちです。

こうした課題に対応するため、厚生労働省は「外国人雇用状況届出システム(e-Gov)」を提供しています。

この章では、電子申請の利便性と、社内管理のデジタル化を進めるためのポイントを解説します。

外国人雇用状況届出システム(オンライン申請)の利便性

e-Gov電子申請システムを利用すれば、届出書の作成・提出・修正をすべてオンラインで完結できます。

ハローワークへの持参・郵送が不要となり、全国どこからでも24時間対応可能です。

主なメリット:

  • 入力データの自動保存により再入力の手間を削減
  • 提出履歴・受付状況をオンラインで確認できる
  • 添付書類をデジタルデータで提出可能
  • 複数拠点を持つ企業の一括管理にも対応

これにより、多拠点企業や派遣会社などでもスピーディで正確な届出処理が可能になります。

社内の外国人雇用データを一元管理する方法

電子化の次のステップは、社内データベースの統合管理です。

雇用契約情報・在留資格・届出履歴を一元管理することで、更新漏れや二重登録を防止できます。

おすすめの管理方法:

  • e-Gov提出データをCSV形式でエクスポートし、社内システムへ取り込み
  • クラウド型人事管理システム(SmartHR・freee人事労務など)と連携
  • 在留期限や契約更新日を自動リマインダーで通知
  • 管理者・現場責任者が共通で閲覧できる仕組みを構築

具体的には、雇用台帳・在留カード情報・届出履歴を連携させることで、人事・総務・経営層が同じ情報をリアルタイムで把握できる環境が理想です。

個人情報管理・セキュリティ上の注意点

電子化に伴い、個人情報保護法およびマイナンバー法に基づく管理体制の整備も必要です。

外国人労働者の在留カードには個人識別情報が含まれるため、取り扱いには特に注意を要します。

セキュリティ確保のポイント:

  • 在留カードや届出書データはパスワード付きで暗号化保存
  • アクセス権限を「人事担当者限定」に制限
  • e-Govの利用ログ・操作履歴を定期的に確認
  • クラウドサービス利用時はISMS認証などのセキュリティ基準を満たしているか確認

情報漏えい・不正アクセス・誤送信といったリスクを最小限に抑えられます。

電子化の利便性を享受するためには、「スピード」と「セキュリティ」の両立が欠かせません。

まとめ|電子化は「効率化」だけでなく「信頼性向上」にもつながる

外国人雇用状況届出書の電子化は、単なる業務効率化の手段ではありません。

正確なデータ管理・更新のしやすさ・セキュリティ強化を通じて、企業全体のガバナンスを高める施策でもあります。

手作業中心の管理から脱却し、デジタル基盤を整えることで、コンプライアンスと生産性の両立が可能になります。

これが、これからの外国人雇用管理の”新しい常識”といえるでしょう。

外国人雇用状況届出書に関するよくある質問(FAQ)

外国人雇用状況届出書の提出に関しては、現場で多くの疑問が寄せられます。

ここでは、特に質問の多い項目を4つに絞り、実務で迷いやすいポイントを具体的に解説します。

制度を正しく理解しておくことで、届出漏れや誤提出などのミスを防ぎ、安心して外国人を雇用できる体制を整えられます。

Q1:届出が必要な外国人の範囲は?

届出が必要なのは、特別永住者を除くすべての外国人労働者です。

雇用保険の加入有無、勤務形態、就労時間にかかわらず、原則として以下のような外国人が対象となります。

在留資格の種類届出対象
技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務〇(必要)
永住者、定住者、日本人の配偶者等〇(必要)
特別永住者(在日韓国・朝鮮人など)✕(不要)
短期滞在(観光・出張目的など)✕(不要)

要点:

  • 「雇用契約」を結んだ時点で届出が必要
  • 日雇い・短期契約でも雇用関係があれば対象
  • 外国籍の役員や個人事業主は、原則対象外

つまり、「給与を支払う雇用関係があるかどうか」が判断基準となります。

Q2:短期滞在や留学生アルバイトも対象?

短期滞在(90日以内)で観光・出張目的の場合は、就労自体が許可されていないため対象外です。

一方で、「留学」や「家族滞在」など就労制限付きの在留資格で、資格外活動許可を取得している場合は対象となります。

  • 留学生が資格外活動許可を得て、コンビニでアルバイトしている場合 → 届出が必要
  • 留学生が許可を得ていない状態で働く → 不法就労(雇用主にも罰則の可能性)

注意点

  • 資格外活動許可は1週間28時間以内が上限
  • 在留カード裏面に「資格外活動許可:有」の記載があるか必ず確認
  • 留学生を雇う際は在留カードの裏面コピーを保管するのが安全です

これにより、雇用側も法的リスクを避けられます。

Q3:提出を忘れた場合の罰則は?

外国人雇用状況届出書の提出を怠ると、雇用対策法第38条により30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

罰則の対象は、届出を怠った事業主本人(法人の場合は会社代表者)です。

リスクは金銭的罰則にとどまりません。

  • 行政指導・報告命令の対象になる
  • 公的助成金(雇用関係助成金など)の申請が通らなくなる
  • 行政への信頼性が低下し、入札・補助金審査などで不利になる可能性

また、届出内容に虚偽があった場合も、同様の罰則対象になります。

提出漏れは「軽微なミス」と捉えず、法令違反として厳重に管理することが重要です。

Q4:修正届・再提出は可能?

はい、届出内容に誤りがあった場合や情報変更が生じた場合は、修正届の提出が可能です。

手続きはハローワーク窓口、またはe-Gov電子申請のいずれでも受け付けています。

主な修正事例:

  • 在留資格・在留期間の更新
  • 雇用形態や勤務時間の変更
  • 氏名や国籍の訂正
  • 退職日(離職届)を誤って記入した場合

修正のポイント

  • 修正届提出時は、修正版と旧届出書の両方を添付
  • e-Govの場合は、「再提出」扱いで上書き登録可能
  • 修正理由を明確にしておくと、後の監査時にも説明しやすい

これにより、データの正確性と透明性を確保できます。

まとめ|FAQを把握し、誤解や届出漏れを防ぐ

外国人雇用状況届出書の手続きは、一見複雑に感じられますが、ルールを正しく理解すれば難しいものではありません。

「誰が対象か」「どのタイミングで提出するか」「修正は可能か」といった基本事項を押さえることで、届出漏れ・罰則リスク・不法就労トラブルを未然に防止できます。

FAQの内容を社内共有し、誰が見てもわかるマニュアル化を進めると効果的です。

実務担当者が押さえるべき「外国人雇用管理」のこれから

近年、外国人労働者の受け入れ拡大が進む一方で、企業に求められる管理体制や法令遵守レベルは年々高まっています。

今後は単に届出を行うだけでなく、「デジタル化」「労務管理の質」「企業の信頼性」が問われる時代に移行しています。

ここでは、これからの外国人雇用管理において実務担当者が注目すべき3つの方向性を解説します。

行政手続きのデジタル化と企業コンプライアンスの重要性

厚生労働省や出入国在留管理庁では、電子届出やマイナンバー連携を中心とした行政手続きのデジタル化が進んでいます。

今後、外国人雇用状況届出書の提出も、e-Govなどオンライン化を前提とした運用が主流になるでしょう。

企業側の対応ポイント

  • e-Govやマイナポータルとの連携体制を整備
  • 届出履歴・在留データを社内で一元管理
  • 法改正情報を定期的にチェックする体制を構築

これにより、コンプライアンス違反を防ぐだけでなく、業務の効率化とデータの信頼性向上も実現できます。

「法令遵守+DX化」の両立こそが、今後の企業競争力を左右する要素です。

外国人材を「守る」労務管理が企業価値を高める理由

外国人雇用は単なる労働力確保ではなく、多様性経営の一環として位置づけられつつあります。

そのため、労務管理の目的も「管理」から「保護」へと変化しています。

企業価値を高める管理のポイント:

  • 在留資格や契約内容を本人にも理解できる言語で説明
  • 社内通訳・相談窓口を設置し、安心して働ける環境を提供
  • 不当な労働条件・差別的扱いを防止する教育体制を整える

こうした取り組みは、外国人本人の定着率向上・離職防止・企業ブランド価値の向上につながります。

適正管理はコストではなく、長期的な人材投資と捉えるべきです。

適正届出が信頼される企業づくりの第一歩

外国人雇用状況届出書を正確に提出することは、法令遵守の基本かつ企業信頼の象徴です。

行政から見ても、届出・在留情報の整合性が取れている企業ほど「適正管理企業」として評価されます。

今後求められる姿勢:

  • 定期的な届出内容の見直し・更新
  • 不備があった際の迅速な修正・再提出
  • 社内に「外国人雇用管理責任者」を明確に置く

これにより、行政・取引先・求職者の三者から信頼される体制を構築できます。

適正な届出は、企業の誠実さと社会的信用を示す第一歩です。

まとめ|「正しい届出」と「人を大切にする管理」で未来をつくる

外国人雇用管理の本質は、書類対応ではなく「人を支える仕組み」づくりにあります。

行政手続きのデジタル化に対応しながら、外国人材が安心して働ける環境を整えることで、企業は持続的な成長と信頼を獲得できます。

適正な届出と誠実な労務管理が、これからの時代における「信頼される企業」の条件となるでしょう。

まとめ|外国人雇用届出は「法令遵守」と「信頼構築」を両立する第一歩

外国人雇用状況届出書は、単なる行政手続きではなく、企業が社会的責任を果たすための重要な法的義務です。

提出を通じて、国は外国人雇用の実態を把握し、不法就労防止や労働環境の改善につなげています。

一方で、企業側にとっても、正確な届出は法令遵守と企業イメージ向上の両立を実現する手段です。

この記事で解説したポイントを振り返ると、以下の点が特に重要です。

【要点整理】

  • 届出義務の根拠は「雇用対策法第28条」であり、全ての事業主が対象
  • 採用時と離職時の両方で届出が必要(いずれか一方では不十分)
  • 派遣元が届出責任を負うなど、雇用形態ごとの役割を明確に
  • 在留カード情報や雇用保険番号など、記入内容の正確性を最重視
  • e-Gov電子申請を活用すれば、効率化とミス防止が両立
  • 社内では契約書・保険・在留管理の3点体制を整えることが必須
  • 今後は、デジタル化・コンプライアンス・外国人支援の3方向での対応が求められる

【今後の実務へのアクション】

  1. 自社の届出体制を点検し、提出漏れや誤記の有無を確認
  2. e-Govを活用し、届出データを電子化・一元管理
  3. 外国人雇用管理を単なる事務処理ではなく、「人を守る労務管理」として位置づける

外国人雇用は年々拡大し、企業に求められる法令遵守の水準も上がっています。

正しい届出と適正な管理こそが、行政・社会・外国人労働者から信頼される企業づくりの礎です。

制度を正しく理解し、確実な手続きと誠実な対応で、持続可能な外国人雇用を実現していきましょう。

外国人採用・マッチングのご相談はこちらから

ジャンル別記事

アクセスランキング

まだデータがありません。

  • 監修弁護士

外国人雇用のお悩み・ご検討中の方はお問い合わせください!