
05/30 (金)更新
混同しないで!ビザと在留資格の違いを徹底解説
「ビザ(査証)と在留資格は同じ意味では?」と考えている方は、実は少なくありません。
入国管理の場面ではよく耳にする言葉ですが、この二つの違いを正しく理解していないと、就労・留学・外国人雇用において重大なトラブルを招く恐れがあります。
特に、企業で外国人を採用・管理する担当者や、来日を予定している外国人本人にとっては、誤解が許されない重要な知識です。
この記事では、ビザと在留資格の違いを基本から丁寧に解説するとともに、実際の入国~滞在の流れ、よくある誤解、企業が押さえるべき実務ポイントまで網羅して紹介します。
図解的なイメージで違いを捉えられるよう工夫し、さらに独自の視点からトラブルを未然に防ぐコツもまとめました。
正しい理解が、スムーズな在留と円滑なビジネスの鍵となります。
混同しやすい用語の違いをしっかり整理し、不安やトラブルを防ぎましょう。
ビザ(査証)とは何か
「ビザ」と聞くと、「外国人が日本に滞在するための許可証」と漠然としたイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、ビザとは厳密には“入国するために必要な許可”であり、日本に滞在するための「在留資格」とは異なる制度です。
このセクションでは、ビザの基本的な仕組みとその目的、種類や有効期限、そして近年話題になることも多い査証免除制度について詳しく解説します。
ビザの役割と目的
ビザ(査証)は、外国人が日本に入国しようとする際、その人物が適切な目的で渡航し、入国管理上問題がないことを日本大使館・領事館が事前に認めた証明書です。
言い換えれば、「この人は日本に入る資格がありそうですよ」という事前の推薦状のようなものです。
なお、ビザがあっても必ずしも入国できるわけではありません。最終的な判断は空港や港での入国審査官の裁量に委ねられています。
ビザはあくまで「門を叩くことができる権利」に過ぎない点に注意しましょう。
ビザの種類とその特徴
日本が発給するビザには目的に応じて多くの種類があります。
代表的なものは以下の通りです。
- 短期滞在ビザ – 観光・親族訪問・商用目的などで最長90日までの滞在を許可。就労は不可。
- 留学ビザ – 大学・語学学校などへの留学に必要。アルバイトは制限付きで可。
- 就労ビザ – 技術・人文知識・国際業務、技能実習、高度専門職などに分類され、雇用契約と就労内容に基づく。
- 特定活動ビザ – ワーキングホリデーやインターンシップ、帰国準備中の在留など、限定的な活動を許可。
- 外交・公用ビザ – 外国政府の外交官や職員が対象。
それぞれのビザは目的ごとに定められた活動内容しかできないため、別の目的での滞在を希望する場合はビザ変更手続きが必要になります。
ビザの有効期限と注意点
ビザには発行日から一定期間以内に入国しなければ失効するという制限があります。
一般的には3か月の有効期限が設定されており、この期間を過ぎるとビザは無効になります。
つまり、ビザを取得してもすぐに日本に来られない事情がある場合には、有効期限の確認を怠らないことが重要です。
また、ビザと在留期間は別物です。ビザは入国のためのもの、在留資格で滞在の長さが決まることを覚えておきましょう。
査証免除制度の概要と該当国
日本では、一定の国と査証免除の取り決め(ビザ免除協定)を結んでおり、観光など短期目的での訪問であればビザ不要とする国があります。
これが「査証免除制度」です。
現在、アメリカ、カナダ、EU諸国、韓国、台湾、香港など68の国・地域が対象となっており、これらの国の国民は最大90日間までビザなしで入国可能です(2024年時点)。
ただし、就労や長期滞在にはビザが必要ですので、誤解しないよう注意が必要です。
さらに、感染症拡大や外交関係の変化などにより一時的に免除措置が停止されることもあるため、最新情報を外務省のウェブサイトで確認することが大切です。
ビザは「入国するための鍵」
ビザは日本に入るための「玄関の鍵」にあたる存在です。滞在そのものを管理する在留資格とは異なるものの、海外から日本へ渡航する際の最初のステップとして非常に重要です。
種類や有効期限を正しく理解し、自身の目的に合ったビザを申請することで、入国後のトラブルを未然に防ぐことができます。
在留資格とは?
「在留資格ってビザとは違うの?」「どの資格なら働けるの?」といった疑問をお持ちの方は少なくありません。
在留資格とは、外国人が日本で合法的に滞在し、特定の活動を行うために必要な“法的な許可”を意味します。
これは、単なる“滞在”の枠を超え、どんな活動が可能かを明確に定めた制度です。
この章では、在留資格の意味や対象者、在留カードとの関係性、資格の種類と就労の可否、さらに変更や更新の基本的な仕組みについて、わかりやすく解説していきます。
在留資格の定義と対象者
在留資格とは、日本で行う活動に応じて外国人に与えられる滞在許可の区分のことです。
出入国在留管理庁によって定められており、「技術・人文知識・国際業務」や「留学」、「日本人の配偶者等」など、目的に応じて30種類近くに分類されています。
在留資格は「何のために日本にいるのか」を明確にするもので、対象者は日本に中長期間滞在するすべての外国人です。短期滞在(90日以下)の観光客などは該当しません。
在留カードとの関係
在留資格が付与されると、「在留カード」と呼ばれる証明書が発行されます。
このカードは、外国人が日本で合法的に在留していることを示す物理的な証拠であり、氏名、国籍、住所、在留資格の種類、在留期間などの情報が記載されています。
つまり、在留資格=「法律上の身分」、在留カード=「その証明書」という関係です。日本国内では、銀行口座の開設や賃貸契約など、さまざまな場面で在留カードの提示が求められるため、常に最新の情報に保つことが非常に重要です。
在留資格の種類と就労の可否
在留資格には大きく以下の3つの区分があります。
- 就労系資格(働ける)
例:「技術・人文知識・国際業務」「技能」「特定技能」など
→ 就労が許可されるが、働ける職種は資格によって制限されます。 - 身分・地位系資格(ほぼ自由に働ける)
例:「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」など
→ 活動制限がなく、幅広い職業に従事可能です。 - 非就労系資格(原則、働けない)
例:「留学」「短期滞在」「文化活動」など
→ アルバイトなどは「資格外活動許可」が必要です。
このように、在留資格によって就労の可否が異なるため、企業が外国人を採用する際も資格の種類の確認は必須です。
在留資格の変更と更新の仕組み
在留資格は、在留目的や活動内容が変わった際に「変更申請」が、また滞在期間の延長が必要な場合には「更新申請」が必要です。
- 変更申請の例:
「留学」から就職して「技術・人文知識・国際業務」へ変更 - 更新申請の例:
「3年」の在留期間を迎える前に延長申請を行う
申請は原則、在留期限の3か月前から可能で、審査結果が出るまでは「特例期間」として在留が継続されます。
申請を怠ると、不法滞在や強制退去のリスクがあるため、期限管理が非常に重要です。
在留資格は日本での生活・仕事の土台
在留資格は、外国人が日本で「何をしてもよいのか」を決める、いわば生活の根幹です。
ビザとは異なり、入国後に重要となるのがこの「在留資格」であり、種類によって活動内容の制限や手続きの内容が大きく異なるため、正しい理解が欠かせません。
企業や雇用主も含めて、資格の種類・期限・更新可否などを把握しておくことで、トラブル回避と安定した雇用環境の構築につながるでしょう。
ビザと在留資格の違いを理解
「ビザと在留資格って同じものじゃないの?」
多くの人がこの疑問を抱いていますが、実はまったく異なる役割を持つ制度です。
混同しやすいこの2つの違いをしっかり理解しておくことは、外国人の雇用や滞在手続きを正しく進めるうえで非常に重要です。
このセクションでは、ビザと在留資格の関係性や違い、そして入国から在留までの流れにおける役割の変化について、図解を交えながらわかりやすく整理していきます。
ビザは「入国の許可」、在留資格は「滞在の許可」
「ビザ(査証)」と「在留資格」はしばしば混同されますが、それぞれの役割は明確に異なります。
簡単に言えば、ビザは日本に入るための“切符”、在留資格は日本で滞在・活動するための“許可証”です。
入国の手続きは以下のような流れで進みます。
フェーズ | 主な手続き・内容 | 使用される書類 | 担当機関 |
渡航前(母国) | 日本への入国を希望しビザを申請 | ビザ(査証) | 日本大使館・領事館 |
入国時(空港) | 入国審査で在留資格の付与判断 | ビザ+入国審査書類 | 出入国在留管理庁(空港の入国審査官) |
入国後(日本国内) | 在留カードが交付され、在留資格での活動開始 | 在留カード | 出入国在留管理局 |
このように、ビザは入国を希望する外国人に対し「日本へ来てよい」という“推薦状”のようなものであり、入国時に必ずしも自動的に入国を許可されるわけではありません。
一方、入国審査を通過した後に与えられるのが在留資格であり、その人が日本でどんな活動をするのか(例:就労・留学・家族滞在など)を決める許可です。
そのため、ビザがあっても在留資格が得られなければ、日本で活動することはできません。
両者の違いを正しく理解することは、企業の外国人雇用や留学手続きにおいて極めて重要です。
ビザがあっても在留資格がなければ働けない?
答えはYESです。
ビザを持っている=必ずしも働けるとは限りません。
たとえば観光ビザ(短期滞在)は「観光目的」での入国は認められても、就労は一切できません。
逆に「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格を取得していれば、働くことが可能です。
実際の流れでは、ビザ申請時に「この人は働く予定です」と申告しておく必要があり、その内容に応じて在留資格が判断されます。
したがって、在留資格が最も重要な判断軸となるのです。
入国審査のタイミングで役割が変わる
さらに重要なのが、「ビザの役目は入国時点で終わる」という点です。
日本に到着した外国人が空港で入国審査を受ける際に、ビザの内容をもとに「どの在留資格を与えるか」が決定されます。
このとき、ビザは役割を終え、実際に滞在中に効力を持つのは在留資格と在留カードになります。
ここを誤解して「ビザがあるからずっと安心」と思い込んでしまうと、在留資格の期限切れや更新忘れに気づかず、不法滞在になるリスクもあります。
ビザと在留資格の役割を正確に理解しよう
ビザと在留資格は、それぞれ別の役割を持った制度です。
- ビザ(査証)は、入国前に大使館などで発行され、入国審査の“入口”となるもの。
- 在留資格は、入国後に日本で合法的に活動するための“居住許可”です。
企業側も外国人本人も、「入国前=ビザ」、「入国後=在留資格」という仕組みを正しく理解し、在留資格の管理を徹底することが重要です。
この知識があれば、就労可否の判断や更新管理、書類対応などでトラブルを避けることができるでしょう。
ビザから在留資格取得までの流れ
外国人が日本で合法的に活動を開始するには、「ビザ(査証)」だけでなく、「在留資格」を確実に取得する必要があります。
とくに海外から人材を呼び寄せる場合、企業や受け入れ機関が行うべき手続きがいくつも存在し、正しい順序で進めることが重要です。
このセクションでは、外国人が日本に入国し、在留資格を取得して活動を開始するまでの流れをわかりやすく解説します。
在留資格認定証明書の取得とは?
在留資格認定証明書(COE:Certificate of Eligibility)は、日本での在留活動が認められることを証明する重要な書類です。
日本にいる受け入れ企業や教育機関が、出入国在留管理局に対して申請を行い、審査を経て発行されます。
この証明書があることで、海外在住の外国人はビザ申請をスムーズに進められ、空港での入国審査も円滑になります。なお、申請から交付までは1〜3ヶ月程度かかるのが一般的です。
海外からの招聘手続きの実際
企業や学校が外国人を呼び寄せる際は、まず在留資格認定証明書の交付を受け、その後、それを本人に郵送して現地の日本大使館・領事館でビザ申請を行ってもらう流れになります。
本人は受け取った証明書を添えて、ビザ(査証)を現地で取得し、日本への渡航準備を進めます。
招聘する側は、渡航スケジュールや住居準備、入国後のサポート体制なども整えておくことが理想です。
空港での入国審査と在留カードの発行
外国人は空港到着後に入国審査を受け、ここで出入国在留管理庁の職員によって在留資格が正式に付与されます。
同時に、原則として在留カードが空港で即時に発行されます(対応空港に限る)。
このタイミングで初めて、外国人は日本国内での居住・就労・学業などの在留活動が可能になります。
もし空港での手続きに不備があると、入国が認められないケースもあるため注意が必要です。
来日後の市区町村手続きと届け出
在留カードを受け取った後は、14日以内に居住地の市区町村役場で「転入届」の提出が義務づけられています。
これにより、住民登録がなされ、健康保険やマイナンバーの交付といった行政サービスの利用が可能になります。
また、企業で就労する場合は、所属機関の届出や雇用条件の登録なども併せて行う必要があり、怠ると後の更新時に不利益となる場合があります。
入国から在留までの流れを理解してスムーズな受け入れを
ビザと在留資格は連携して機能する制度であり、手続きの順序や必要書類の不備があるとスムーズな入国ができません。
受け入れる企業や機関は、在留資格認定証明書の取得から入国後の各種手続きまで一貫してサポートすることが求められます。
制度の全体像を理解し、しっかり準備を整えておきましょう。
外国人雇用における実務ポイント
日本で外国人を雇用する場合、企業は単に「働けるかどうか」だけでなく、在留資格の確認や法的な責任の把握を行う必要があります。
雇用に関する知識が不足していると、知らぬ間に不法就労助長罪に問われるリスクもあるため、在留資格の種類と制限内容を正確に理解し、運用することが重要です。
ここでは、外国人雇用において企業が押さえるべき実務上のポイントを具体的に解説します。
採用時に確認すべき在留資格
外国人を採用する際、まず行うべきなのが在留カードの確認です。
カードの表面には「在留資格」「在留期間」「就労可否」などの情報が明記されています。
ここで重要なのは、雇用しようとする業務とその在留資格が合致しているかどうかです。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」ビザの持ち主が単純労働に従事することはできません。
在留資格ごとの就労可能な業種や職種を事前に確認することで、雇用の可否を正しく判断できます。
不法就労助長罪を防ぐチェック体制
在留資格に反する業務をさせてしまった場合、企業側が「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。
たとえ本人が在留カードを持っていても、就労制限がある資格(例:留学、家族滞在など)での雇用は違法になることがあります。
これを防ぐには、以下のような社内チェック体制の整備が有効です。
- 在留カードのコピーを必ず取得・保管する
- 就労資格証明書の提出を求める(必要に応じて)
- 定期的に在留期間の更新状況を確認する
また、在留カードの偽造を見抜くための研修やマニュアル整備も推奨されます。
在留資格別に異なる業務制限の把握
外国人が保有する在留資格は約30種類以上あり、それぞれ就労の可否や範囲が異なります。
以下は一例です。
在留資格名 | 就労可否 | 主な活動内容 |
技術・人文知識・国際業務 | 可 | 通訳、SE、マーケティングなど |
特定技能(1号) | 可(職種限定) | 介護、外食、建設など12業種 |
留学 | 不可(申請により資格外活動可) | 学業が本分、週28時間までのアルバイト可 |
永住者・日本人の配偶者等 | 原則自由 | 制限なし(すべての職種に従事可) |
業種ごとの対応ルールを整理し、在留資格と職務内容の整合性を明確にしておくことが、リスク回避の第一歩です。
外国人雇用には在留資格と法的責任の理解が不可欠
外国人を雇用する企業は、採用前に在留資格と業務内容の適合性を確認し、在留カードや就労資格証明書のチェック体制を整備することが必須です。
また、資格別の制限や制度の更新にも敏感になる必要があります。
違反すれば企業にも法的責任が及ぶため、正確な知識と運用ルールの構築が、健全な外国人雇用の鍵となります。
よくある質問と誤解のQ&A
外国人の日本滞在に関しては、「ビザがあれば日本で働ける」「観光で来てそのまま仕事できる」など、誤解されやすいポイントが数多く存在します。
ビザと在留資格は明確に異なり、入国のための許可と、滞在・活動のための資格は分けて考える必要があります。
ここでは、実務の現場や相談で多い「よくある勘違い」とその正しい理解を、Q&A形式で解説します。
「ビザがあれば働ける」とは限らない?
いいえ、限りません。
ビザ(査証)は日本への入国を許可するための事前認可書類であり、働くための許可ではありません。
入国後に与えられる「在留資格」が就労を可能にするかどうかを決定します。
たとえば、ビザを取得して来日しても「観光」目的であれば就労は一切できませんし、「家族滞在」ビザでは就労は原則不可ですが、資格外活動の許可を得ることで一部アルバイトが可能になるケースもあります。
✅ ポイント – 就労可能かどうかは「在留資格」を見なければ判断できません。
「観光ビザ」から就労はできる?
基本的にはできません。
観光ビザで日本に入国した場合、その目的はあくまで「観光」です。
したがって、就労行為(アルバイトを含む)は一切認められていません。
もし観光で来日し、その後日本で働きたいという希望がある場合は、一度出国し、海外の日本大使館等で就労可能なビザを申請する必要があります。
例外的に、国内での在留資格変更が認められる場合もありますが、これは極めて限定的です。
「在留期間」と「ビザの有効期限」の違いは?
混同されがちですが、明確に異なります。
用語 | 定義 |
ビザの有効期限 | 海外から日本へ入国できる「許可」の有効期間(通常3か月) |
在留期間 | 日本に滞在できる期間(在留資格に応じて、数か月〜数年単位で与えられる) |
つまり、ビザは入国時に使うもの、在留期間は入国後の生活・活動を認める期間です。
たとえビザの有効期限が切れていても、在留資格が有効であれば日本での滞在は問題ありません。
✅ 補足 – 「ビザが切れた=不法滞在」ではなく、「在留資格・在留期間」の有効性が重要です。
誤解を正して、正しく理解しよう
ビザと在留資格の違いや、その運用ルールを誤解すると、不法就労や在留資格違反につながるリスクがあります。
企業としても、採用前に「就労可否」を確認する体制づくりが欠かせません。
「ビザがあるから大丈夫」という思い込みは禁物。制度を正しく理解し、安心・安全な外国人雇用を実現しましょう。
ビザと在留資格を正しく理解してトラブルを防ぐ!企業・個人のための実践ガイド
外国人の採用や在留サポートにおいて、ビザと在留資格の違いを正しく理解していないことがトラブルの原因になることは少なくありません。
とくに企業で外国籍の従業員を雇用する場合、「入国はできたけど働けない」「在留期限を過ぎてしまった」などの事態が起こると、企業にも法的責任が及ぶ可能性があります。
本記事では、実務上押さえるべき知識や、現場で起こりがちなミス、その回避法を具体的に解説します。
外国人雇用での実務に役立つ基礎知識
まず押さえておくべきは、「ビザ=入国許可」、「在留資格=日本に滞在・活動するための資格」という点です。
外国人が日本で働くには、就労が認められる在留資格を持っていることが必要不可欠です。
たとえば、技術・人文知識・国際業務ビザや、特定技能、技能実習などはそれぞれ就労可能な業務が法律で定められており、在留資格と実際の業務内容が一致していないと違法就労とみなされる恐れがあります。
在留カードには在留資格の種類・在留期間・資格外活動許可の有無が記載されているため、採用時に必ず確認が必要です。
よくあるミスとその回避策
企業や個人事業主が犯しやすいミスとして、以下のような例があります。
- ビザ(査証)があるから就労できると誤解して採用してしまう
- 在留資格の期限を見落として更新手続きを怠る
- 在留カードの内容と実際の業務が一致していない
- 外国人本人に手続きを任せきりにしてしまう
これらを防ぐためには、採用時の在留資格チェックの徹底に加え、期限管理を社内で仕組み化することが重要です。
さらに、外国人本人への制度説明や日本語支援体制の整備も、ミスを減らすうえで効果的です。
社内での共有体制を整えるポイント
外国人雇用の実務を一部の人だけに任せるのではなく、部門横断的に情報を共有することが重要です。
たとえば
- 在留カードのスキャンを人事システムに登録し、自動で更新通知を出す
- 就労資格確認結果を採用・現場・総務・法務の各部署で共有
- 教育担当者や現場リーダーが、外国人社員の在留期間や制限を理解しておく
また、万一トラブルが起きたときに備えて、行政書士や専門家と連携できる体制を構築しておくと安心です。
正しい理解と組織的管理が外国人雇用成功のカギ
ビザと在留資格の違いを正しく理解することは、企業のコンプライアンス維持と外国人材の活用を両立させるために不可欠です。
制度は複雑で変化も多いため、個人任せにせず、組織として情報を管理・共有する仕組みが求められます。
外国人の力を安心して活かせる環境づくりのためにも、今こそ実務レベルの理解と対策を進めていきましょう。
ビザと在留資格の違いを正しく理解して、トラブルのない・在留管理を
ビザと在留資格は、似ているようで役割がまったく異なります。
ビザはあくまで「入国許可証」、在留資格は「滞在と活動を認める許可」という点をまず押さえましょう。
外国人を採用する企業にとっては、在留カードの確認、就労可否の理解、期限管理などが実務上の重要ポイントとなります。
また、制度を正しく理解していないことによる不法就労や資格外活動などのリスクは、外国人本人だけでなく雇用主にも罰則が及ぶ可能性があります。
そうした事態を未然に防ぐためにも、本記事で紹介した実務的なチェックリストや共有体制の構築を参考に、企業内での管理レベルを高めていくことが求められます。
外国人材の活用が進む今だからこそ、正確な知識と適切な運用で、企業と外国人双方にとって安心できる関係を築きましょう。
関連記事一覧
SELECT人気記事一覧
まだデータがありません。